『イタリア義勇軍団: サンタンデールの戦い』に続いて『日露戰役』を対戦。補給の運用と、日本軍にとってはどのように兵站線を守るのか、に焦点を当てた優れた作品です。



 プレイ時間は短いですが、初っ端から両軍ともタフな決断を迫られるので、いきおい濃い時間に身を置くことに。例えば、ゲーム開始時は日本軍は比較的補給に余裕があるので、それをぶっ込んで前線のロシア軍を確実に撃破するべきか、それとも戦術的優位を確保(カードを取得)すべきか。次のターンから始まる旅順攻撃のために余裕を残しておくべきか。
 ロシア軍にとっても、日本軍が戦闘時に多量の補給ポイントを投入してきた時に、損害軽減に期待して自らも補給を使うのか。それともトータル・コストで考えて戦闘は諦めて増援の投入に補給を回すのか。あるいは戦術カード取得に専念するのか。

 補給の使い方と勝利条件の設定が、時間と空間のどちらを優先するかというジレンマに結びついています。非常にエレガントなデザイン手法です。

 それにプラスして、戦闘の不確実性がありますから、勝てるだろうと思っていた戦闘で負けた、なかなか旅順が落ちない、予想外にバルチック艦隊が早くやってきた、などと状況が変化し、その変化した状況の中で新たな作戦を考える楽しみがあるのです。



 一戦目はかう゛ーる氏と対戦。マカロフ提督率いる旅順艦隊に第一艦隊が翻弄される絶望的な展開となりまして、大陸の補給が途絶気味。何とか旅順は攻略したものの、1904年9/10月ターンに早くもバルチック艦隊が到着して絶望から地獄へ。日露戦争における制海権の重要性が身にしみた一戦となりました。

 二戦目は天保山に〈かが〉を観に行った帰りのさばげ隊長と。今度はロシア軍を担当です。日本軍、ダイスの目が振るわず(4個振って命中1ばかり)戦線が膠着。第三軍が旅順を攻撃して損耗したところ、ロシア軍が「ミシチェンコ」カードを使って戦線の間隙を突いて同軍を攻撃。補給ポイント全部つぎ込んでこれを撃破してサドンデス勝利を得ました。



 ミニゲームなのに展開の幅が広く、プレイヤーに多くのことを考えさせ、しかもそれによって日露戦争とはどんな戦いだったのかを教えてくれる、実に教育的な作品です。歴史ゲームはかくあるべし。これは何度も対戦したい!



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# by yas_nakg | 2018-05-22 09:22 | 国産ゲーム【な行】 | Comments(0)

 対戦してきました。かう゛ーるさん、ありがとうございます。パラベラム誌第3号の付録ゲームです。非常に面白い作品でした。

 スペイン内戦における北部戦線の戦いで、タイトル通りイタリア義勇軍団が活躍しました。Wikipedia(英語)はこちら

 ゲーム・システムとしては移動の後に戦闘を行うオーソドックスなものですが、戦闘支援時に行われる「砲爆撃」がポイント。当たれば敵は混乱し、戦闘力は半減、さらに混乱レベルが上がると戦闘解決時のダイスの目修整がつきます。砲爆撃を行えるのは司令部と航空ユニットで、これは両軍が行うのではなく、投入量が多い軍のみが投入したポイントの差分を使用できるようになっています。

 攻めるナショナリストは砲兵、航空ユニット、CS(補給段列。ロメロ氏の作品ではお馴染みのトラック・マーカーで、消費することで司令部の砲撃力が増します)が潤沢。共和国はそのいずれも限定的。しかもCSの補充はありません。しかし防御側は攻撃側の出方を見た後で使用を決められるので、ナショナリストにとって不利なコラムまで落とすために支援を使ったり、ナショナリストが余裕をかまして支援を行わない戦闘で集中投入することで、効果的に運用できます。

 この砲爆撃の役割が非常に大きい。と言うのも戦闘結果表に癖があり、3:1までのオッズであればほぼ相打ちの結果です。共和国のユニットは1ステップしかないため、1損害でも厳しいのですが、防御側は退却することで損害を吸収できます(ただし1のみ)。全7ターンしかないこのゲーム、じわじわ下がれば共和国は負けないのです(ただし、重要拠点を失うと共和国はオプション退却が行えにくくなって戦線が瓦解していくという面白いギミックが用意されています)。


 その展開を打破するために、ナショナリストには高オッズで発生する戦闘結果B=ブレークスルーが必要です。これは防御側を壊滅させた上、攻撃に参加したユニット(自動車化部隊でなくてもOK)に3ヘクスのZOC無視戦闘後前進を認めるもので、共和国の戦線を一気に包囲することが可能になります。攻撃正面は狭く、地形も悪いので5:1や6:1のオッズはなかなか立たない……のですが、砲爆撃が当たれば戦闘力は半減してそのチャンスが拡大します。さらに補給切れになったユニットはZOCを失うので、ブレークスルーで敵戦線を包囲、補給を切ることができれば、文字通り戦線をずたずたにすることが可能なのです。


 戦線左翼、随所で共和国軍が包囲されているのがおわかりでしょうか! この時は勝ったと思ったんですけどね。

 勝利条件はナショナリストが6点を獲得することで、サンタンデールの占領(3点)、敵旅団10個の撃破(1点)、目標ヘクスの占領(各1点)で得点できます。サンタンデールを占領しなくても、それ以外の全ての目標ヘクスを占領すれば条件を達成できますが、なかなか厳しい。サンタンデールは端の端にあるので、共和国がユニットをばらまけば占領は不可能でしょう。それ以外の全てを占領するにも時間が足りない感じです。

 しかし共和国バスク部隊を投降させることができれば……右側に見える兵科マーク赤色の部隊がそれ。


 バスク地方寄りにセットアップされるこの部隊、補給線が切られると現地のイタリア軍司令官に降伏を申し入れます。そんな事態に陥ったら共和国左翼は壊滅してしまいますが、さすがに簡単にはいかない。今回の対戦では右翼からの攻撃は控え、中央突破でバスク部隊を降伏に追い込もうとしましたが、補給線を切ることはできませんでした。

 戦線左翼、中央、右翼で異なる表情を見せ、それぞれが持つ意味が異なる(順に、補給源と得点源、突出部と時限得点源、バスク部隊)ので、どこにどう重点を置いて勝利を目指すのか。そのために司令部と空軍をどう運用するのかを考えるのが肝のような作品だと思います。攻撃側も防御側も異なる性質の辛みを感じる良作です。

 ということで、次はこちらも面白かった『日露戰役』について語りたいと思います。



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# by yas_nakg | 2018-05-21 10:23 | 海外ゲーム【C】 | Comments(0)

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 自戒の念を込めてさらしますが、全然駄目。別物になります。辛みがありすぎて立ち直れないので『ランペイジ』でも観て気を静めよう。



 これ、地味にありじゃないですかね。『日本機動部隊』再版まで『激突南太平洋』でしのぐなどして。旧S誌第5号のリプレイ・コミックがたいへんな評判で、あれで『日本機動部隊』を始めた人も多かったと聞きます。これはもう再登板をお願いして……何よりワイが読みたい。



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# by yas_nakg | 2018-05-17 10:02 | ほぼ日 | Comments(2)

やばたにえん

 遅くなりましたがゲームマーケット春、出展並びに参加された皆様、お疲れ様でした。またa-gameブースにて商品をお買い上げいただいた方、ありがとうございました。

 イベントの2日開催にはいろいろ意見があるようです。a-gameのセールス的に言っても来場者数と比例しているとのことで、秋は初日のみ参加、前日にゲーム会をやるかー! というプランも検討中だと聞いております。しかしそうすると、出展者は準備で忙しくてゲーム会に参加してもらえない可能性大ということも考えられますね……。

 ゲームマーケット当日、『TOGO』について質問をいただきましたが、こちらはもともと『TSUSHIMA』のタイトルでS&T誌に掲載された戦術級海戦ゲームで、『TOGO』には黄海海戦シナリオも追加されています。デザイナーであるジャック・グリーン氏の意向で英語圏でも販売することになっており、日本語&英語のバイリンガル仕様、ボックスではなくジップロックです(箱だと送料が割高なので!)。

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 HJ版『アイアンボトムサウンド』のように、シナリオごと艦船の記録シートを用意してビニール・コーティングしようかと思いましたが、見積もりを取ると印刷費がやばたにえんの無理茶漬けでした。それに使っているうちに劣化して水性ペンの跡が取れなくなります。そこで今回は1隻のデータをトレカサイズのカードにまとめて、スリーブに入れて上から水性ペンなり油性マジックなりでチェックしてもらう(スリーブは使い捨て)という方法を考えているのですが、どうでしょうか。※なお、サンプルの三笠、シルエットが間違っております。

 これだと、艦隊の陣形が崩れてもカードを置き直せば参照しやすくなるし、必要に応じてカード単体をマップ上に置くことができる。何だったら裏面に写真と性能諸元、戦歴を入れることも可能です。

 実戦で試して具合が良いようなら、あれとかそれとかこの形でいきたいですねぇ。損害記録を秘匿するのでない限り、マップの邪魔にならないところにカードを置くことでプレイアビリティが上がりそうですし。



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> ウォーゲームガバガバクソ解説の中の人とお話できるとは思いませんでした。

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# by yas_nakg | 2018-05-09 09:08 | Comments(2)

 日本軍のシルエット、一通り完成です(三笠のシルエット間違いのご指摘ありがとうございます> 堀場さん。まだ変なところがあれば教えてください)。

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 こうして眺めてみると竣工年や建造した国がばらばらで、シルエットに一貫性がないところがまた、建造間もない海軍然としていて味わいがあります。持てる総力をあげてバルチック艦隊を迎え撃ったわけですね。これからそのロシア艦のシルエットを描かねばなりませぬ。

 それにしても三景艦のシルエットの尊さよ。


 話は変わりますが、話題の『タクシー運転手』観てきました。確かに光州事件のほうが身近に感じます。面白かったのですが、これでもかという後半の過剰なサービス・シーン(「ここは俺に任せろ」的な)の連続に、不覚にも笑いそうになってしまってどうもすみません。でも、まあ、「そこまでするか」というくらいの徹底したサービス精神が大事なんでしょうね。



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プレイ報告が続々と。このシミュ2018で話題の『プーチンズ・ウォー』も紹介されています。面白いのです。

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# by yas_nakg | 2018-05-02 15:27 | ほぼ日 | Comments(3)