1861年11月7日の「ベルモントの戦い」はグラント将軍の初陣です。本作はユニット1個=中隊、1ヘクス=140ヤードのスケールで再現しています。全12ターンをプレイしますが、タイム・スケールの表記はありません。歩兵中隊で2ヘクス、野砲兵なら14ヘクスの射程を持ちます。通常射撃の他、機会射撃(射界内を移動すると射撃を受ける)、防御射撃(白兵戦を挑んできた敵に対する射撃)あり。いわゆるチット・ドリブンで連隊ごとに活性化します。

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 マップはミシシッピ川で分断されており、主戦場はミシシッピ州側となります。ベルモント周辺に南軍が切り拓いたキャンプ・ジョンストンを、ハンターズ・ファームに上陸したグラント率いる北軍が襲います。

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 こちらが北軍の上陸地点。ここがスタート地点であり、ゴールとなります。キャンプ・ジョンストンを占領したまでは良かったのですが、対岸から砲撃を受け(後述)、さらに南軍部隊に退路を断たれそうになったため、北軍はハンターズ・ファームのドックまで下がってイリノイ州ケイロ(カイロ)に引き返すことになります。

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 こちらがキャンプ・ジョンストン。周囲の倒木は森を切り開いた名残です。もちろん防御上の特典がありますが、史実ではこの地形を生かせなかったとか。対岸のコロンバスにいた予備を投入しなかったこともあり、割とあっさり占領されてしまいます。

 北軍がキャンプ・ジョンストンを占領するまで、主導権は北軍にあります。グラントのリーダーシップと、対照的に優柔不断なポークを再現するため、いくつかの特別ルールが用意されています。その一つが「混乱した命令チット」。南軍がそのチットを引くと、次に引いた命令チットで活性化する連隊は、命令を間違って解釈してしまいあらぬ方向へ移動してしまうことがあります。また、キャンプを睥睨する対岸の「アイアンバンクス」砲台も、北軍の砲艦以外を目標にすることはできません(だとしたら……砲艦も近づきませんね)。

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 しかし、北軍は新兵の集まり。キャンプ・ジョンストンを占領すると浮かれ騒いで一時的に制御できなくなります。そうしてようやくポークは事態の深刻さに気づき、予備を投入し、反撃に転じるのです。ここからが後半戦。今度は北軍に「混乱した命令チット」が与えられますが、グラントには「影響力ポイント」があり、一定の回数、白兵戦のダイスを振り直すことができます。

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 南軍は輸送船で部隊をミズーリ州側に運ぼうとしますが、北軍には2隻の砲艦〈レキシントン〉と〈タイラー〉がいて妨害が可能です。もっとも南軍にはアイアンバンクス砲台があるため、北軍の砲艦も迂闊には近づけません。なお、輸送船にヒットすると乗船している中隊が士気阻喪するかもしれないという興味深いルールも用意されています(リーダーは負傷する可能性あり)。

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 南軍の砲台は強力ですが、暴発するもの(右下に白い四角が印刷されているもの)も。

 主導権の転換が起こるなら、北軍はキャンプ・ジョンストンを占領しないほうがよいのでは? と思えますが、勝敗は得点で計算し、占領できないと南軍に大きな点数が入ります。また占領しようがしまいが、いずれはポークも予備を投入してくるので、「それならさっさとキャンプを焼き払ってずらかろう」というインセンティブにつながっています。



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by yas_nakg | 2018-02-28 11:15 | 海外ゲーム【B】 | Comments(0)

撮影問題

 連休中にゲームを、と目論んでいましたが時間の都合がつきませんでした。しかしながらTwitter界隈ではなかなか興味深い話題が上がっていたようです。

 ※togetterにまとめられていました。素晴らしい!!→ウォーゲームを撮影するコツやテクニックを知りたい



 ちょっとこましな写真が撮れるかとスマホをLeicaレンズ搭載のHuawei P10に換えたのでした。実戦投入が急がれます。



2018年2月13日の話題:
札幌歴史ゲーム友の会掲示板
ウォーゲーム武芸帳
歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei
軍曹亭日乗


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by yas_nakg | 2018-02-13 08:40 | ほぼ日 | Comments(0)

いいから黙って……

 出張が入りそうで個人的には参加が微妙になりつつある春のゲームマーケットですが、


ちょっと奥さん、『日露戦役』が発売ですよ。ここでFacebookで拾ったGIFアニメを使わねばなるまいよ。

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 いいから黙って金を受け取れ……なんて潔い。



2018年2月10日の話題:
OPEN DICE ROLL
歴史・戦士研究会「ちはら会」Zwei

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by yas_nakg | 2018-02-10 10:53 | 国産ゲーム【な行】 | Comments(0)

何も学んでいない

 2週間前に台湾に行った時にも結構寒くて防寒対策をしなかった我が身を呪ったものですが、今回も邪魔になるのが嫌でコートを着て行かなかったので見事に凍えました。あちらの古いオフィスの中にはクーラーは効いてもヒーターは効かないところがあって、室内でコートを着て仕事をしていたり。ホテルも暖房が効かなくて、思わずファミマで見かけたダウンジャケットを買いそうになりました。

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 UxxQLOで5,000NTDする商品が何と1,490NTD!! いやさすがにユニクロで20,000円はしないだろう……あ、UxxQLOでした。

 自分だけは馬鹿じゃないと思いつつ、定期的に馬鹿をさらしてしまうのが人の常というものなんでしょうか。



2018年2月9日の話題:
20 on 20
歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei


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by yas_nakg | 2018-02-09 08:12 | Comments(0)

マレーの虎、ならぬ獅子

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 以前、マレー・キャンペーンをデザインしたことがありますが、結構たいへんでした。進撃路が限られているので作戦的余地も制限される、勝利条件がシンガポールの陥落に集約されるのでやることが決まってくる、などといった、作戦術を競いにくい状況のためです。『マレー電撃戦』(エポック)は特殊な戦闘システムで部隊運用を重視し、イベント・カードを用いることで戦術的なバリエーションを与えることでこの点に挑みました。『日本の進撃』(ホビージャパン)は航空作戦を重視してゲームに立体感を与えていました。

 『シンガポール陥落』では『ブダペスト '45』のシステムを用いることで疲労と部隊の継戦能力というジレンマを再現し、シンガポールを陥落させられる状況をつくれたかどうか、を勝利条件にすることで作戦の展開余地を与えてみましたが、後者は寸止め感ありありで、別マップでシンガポール攻略戦に移行するオプションを用意すべきだったと思っております。

 さて、そんなゲームにしにくいと思われるマレー・キャンペーンですが、以前に『Yaaah!』誌の付録になっていたものがジップロックで登場しました。ほーん、どんなものやろと上から目線でルールを読みましたが、これが結構面白そうなのです。いろんなアイディアが盛り込まれています。

●機動戦と突撃
 移動-戦闘シーケンスと戦闘-移動シーケンスが選択式となっており、前者は機動戦、後者は突撃になります。機動戦の時は両軍とも練度(ユニット下段中央の数値)のみを戦闘力として用いますが、突撃なら火力(ユニット下段左の数値)と練度を加えたものが戦闘力になります。使用する戦闘結果表は同じ。簡単なルールで非対称な軍隊を再現しています。

●師団の疲労
 ユニットは連隊/旅団規模で、師団ごとまとめて疲労レベルを持ちます。これが高くなると戦闘で不利な修整がつき、さらに疲労しやすくなるという負のスパイラルに陥ります。そこでどこかで休みを取らなければならないのですが、無理を承知で戦うこともでき、プレイヤーに決断を迫ります。

 また師団ごとアクティベーション・チェックを行い、成功すれば移動も攻撃もできますが、失敗すると移動のみ可能。しかも移動力半減。日本軍の第5、第18師団は元気いっぱい、チェックには必ず成功します。

 オーストラリア軍はユニット単位では優秀ですが、第8師団を率いていたベネット将軍が全軍の指揮をかき乱しました。そのためオーストラリア軍のアクティベーションは1/3の確率でしか成功しませんが、英軍プレイヤー=パーシバル将軍がベネット将軍を取り立てるのであれば、オーストラリア軍は自動的に活性化します。

●航空作戦
 戦闘機と爆撃機があり、邀撃、地上攻撃、海上攻撃、カウンター・エアーと言った任務を行えます。地上攻撃は近接航空支援ではなく、敵師団の疲労度を上げるために行います。カウンター・エアーとは、飛行場を爆撃したり駐機中の敵機に機銃掃射を浴びせたりすることで、敵航空ユニットのステップを問答無用で奪う強烈な攻撃です。

 零戦と同じレーティングのバッファロー戦闘機がありますが、「間違いじゃないよ」とデザイナーズ・ノートに書かれていました。

●戦車と対戦車砲
 これらは「アセット」と呼ばれ、連隊/旅団に割り当てられ戦闘力を高める効果があります。対戦車砲があるエリアを戦車で攻撃すると、戦闘とは別に戦車を喪失するリスクが生じます。マレー名物ですね。

●日本軍の浸透移動
 英軍はエリア内の道路沿いを守っているとみなされるので、背景の移動コストを消費することで、日本軍はそのエリアに突入して、さらに外へ移動できます(同一エリアに留まることはできない)。出る時には道路移動が可能なので、道路沿いに縦深陣地を用意しておかないと英軍の戦線は簡単に突破されます。部隊を縦深に配置すると正面戦力が減少して高比率戦闘を食らい、パニックを起こして総崩れになるリスクもあります。英軍司令官の絶望を味わうことができます。

 勝利条件は日本軍がいつシンガポールを攻略するか、または守備隊を降伏させるかで、シンガポールは拡大マップが用意されています。水源を押さえると守備隊に諦めムードが漂うといった歴史的フレーバーも素晴らしい。

 ただTBPの常でルール記述に難ありでして、例えば拡大マップにおけるスタック制限が明確に書かれていなかったり(2個のはず)、アセットは戦闘解決時のダイスの目修整に用いると書かれていますが、日本軍戦車が複数戦闘に参加した時はどうなるのか不明だったり(対戦車砲はダイスの目修整、戦車は戦闘力に加算だよなあ)するので、想像力で補う必要があるかもです。

 まだプレイできていないので紹介したルールがどのような効果を発揮するのかはわかりませんが、ゲーム化しにくいテーマでも見せ方によっては魅力的な作品に仕上げられるということを学んだ次第であります。



2018年2月5日の話題:
"Semper Anticus"
千葉会(Club Chiba)

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by yas_nakg | 2018-02-05 09:17 | 海外ゲーム【L】 | Comments(0)

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 これ、『Axis & Allies』と『World in Flames』の間くらいを目指したややゆるめのキャンペーン・ゲームと聞いて、たいへんやる気になっています。ドイツ2人、英米(欧州)仏で1人、ソ連、日本、英米(太平洋)中の計6人くらいでやってみたいですよね。GWあたりに合宿して!!

 先日、台湾で『大東亜共栄圏』を間違ったルールでインストしてきたのですが、それなりに楽しんでいただきまして、「同じシステムでヨーロッパもつくって連結したら?」とありがたいお言葉をいただきました。それこそゆるゆるのキャンペーン・ゲーム△になりそうなのですが、検討したいと思います。



2018年2月4日の話題:
bqsfgameの日記
str_takeshi雑記帖
ふかひれすーぷ
マイケルの戦いはまだまだ続く

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by yas_nakg | 2018-02-04 08:47 | 海外ゲーム【S】 | Comments(0)

 田村さんのブログで気になるドラマが紹介されていました。

> ウォーゲームの達人と数学のエキスパートを主人公にした抗日諜報戦ドラマ「兵臨棋下」(全35回)の放送に先立って監督が予告編を公開。

 ウォーゲームが得意→軍に協力させられて活躍という、ある種の異世界ものと言えるんでしょうか(「異世界もの」の誤用はご容赦ください)。ゲームをつくっていると巧いはずだと勘違いされるのですが、そんなことはありません。だからテストプレイされた方の意見にも真摯に耳を傾けられる、とも言えるのですが。

 そんなわけで、このドラマのような世界に召喚されたら、「ならば用はない(パンパン)」でジ・エンドですよ。



2018年2月3日の話題:
bqsfgameの日記
Petit Wargame Shop


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by yas_nakg | 2018-02-03 08:33 | Comments(0)

 編集作業に忙殺されております。ゲームやりたい!!



2018年2月2日の話題:
9Joeのらくがき帳
F男の誰も付いていけない話
ウォーゲーム武芸帳
のっち大物産展
ほぼ日刊『アメリカ人の物語』
出戻り下手くそウォーゲーマー日記


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by yas_nakg | 2018-02-02 09:15 | ほぼ日 | Comments(0)