人気ブログランキング |

ソークオフだよ人生は

lforn.exblog.jp
ブログトップ

カテゴリ:ほぼ日( 213 )


2019年 04月 19日

ネオD計画(さばげドイツ軍阻止作戦)

以前告知した通り、明後日はさばげ隊長と『Blitzkrieg in the West』の対戦となります。事前の取り決めで隊長がドイツ軍を、こちらが連合軍を受け持つこととなりました。いかにして戦争に勝利するかの作戦計画が興味深い本作、連合軍の計画をここで公開しておきたいと思います(さばげ隊長との間にはマジノ線以上のデジタル・デバイドがあるため、webでさらしても問題ないのです)。

b0142122_08062284.jpg

史実ではドイツ軍の攻勢と同時にフランス軍左翼がベルギー国内に前進、ドイツ軍の装甲部隊がその横、アルデンヌを通り過ぎて連合軍の背後に回り込んで万事休すとなりました。マップを見れば一目瞭然です。

さて、ドイツとフランス同様、これまで幾度となく対戦してきたさばげ隊長と自分ですが、私が「今回は初対戦なのでだいたい史実通りのプランでいきましょうか」と言っても裏があると勘ぐるはず。恐らく、アルデンヌ方面にフランス軍部隊を投入してがっつり守ってくると考えるでしょう。「アルデンヌへ(Into the Ardennes)」カードはアルデンヌで防御する連合軍ユニットに追加のコラム・シフトを4ターンの間、与えてくれるので、元からの地形修整と合わせればドイツ軍装甲部隊を阻止してくれるでしょう。さばげ隊長アルデンヌに死す、です。

b0142122_08243064.jpg

しかし、前述した通りさばげ隊長とはこれまで数え切れないほど死闘を演じてきました。このくらいのことは予想済みだと思います。恐らく隊長はフランス軍が中央部で突出してくるのを見越して、「ネオ・シュリーフェン計画」を立ててくるでしょう。

連合軍が「アルデンヌへ」のカードを用いると「ディール計画」のカードが使えなくなります(作戦が変更されたわけです)。ディール計画のカードは、ベルギー北部の連合軍に一定期間、兵科を問わずに第3インパルスを与えるもので、フランス軍が一気に前線に駆けつけることが可能になります。そのカードを使えないということは、連合軍左翼の最前線は相当薄いものとなり、そこにドイツ軍がつけ込む隙が生じるわけです。もしここに、装甲部隊が集結していたら……。

b0142122_08322857.jpg

パリが危ない!! さばげ隊長ならこのくらいのことを狙ってきそうです。やはり決戦はベルギーの平原ということで、次のような計画を立てたいと思います。
  • ディール計画を基本とし、ドイツ軍の攻勢開始と同時にフランス軍はベルギー北部へ進出する。
  • マジノ線を放棄する(これにより自動車化師団と機甲旅団、航空機の特別増援を得る)。
  • 上によって得られた機動兵力で予備兵団を編制し、ディール計画に従って最前線後方へ移動させる。
  • ドイツ軍はシュリーフェン計画で攻め込んでくるだろうから、機動予備兵団でもってこれを阻止する。万一、アルデンヌを突破してきた場合でも、予備兵団で海岸への進出を阻止する。

b0142122_08535538.jpg

こちらの狙い通りシュリーフェン計画できてくれれば、正面に連合軍の機動予備がいて、それだけでやる気をなくしてくれるんじゃないでしょうか!!(ショック・ポイント無限大)日曜日の対戦結果、お楽しみに!!


2019年4月19日の話題:
bqsfgameの日記
戦闘教師「ケン」華東大乱編





by yas_nakg | 2019-04-19 09:02 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 04月 18日

フォントの話(Impactの呪い)

カウンターのフォント選びは大事でして、ハズキルーペとか老眼鏡が必要な微妙なお年頃のユーザーが増えてくるとなおさら。昔のSPIとかどんだけ無茶やっとんねん……と言いたいところですが、情報量が多くても(そのぶん、文字のサイズが小さくなっても)可読性を高める工夫がされています。

b0142122_08592152.jpg

上は手元にあった『Operation Grenede』のカウンターですが、基本となるフォントはUniverse (恐らく)。ゲーム中に必要な情報はUniverseでまとめて、字数が多くなる部隊名はそのCondensedが用いられています。Condensedの級数を下げると「1」と「7」の区別がつきにくいという問題が発生しますが、ここ、ゲームではさほど重要ではないので許容範囲でしょう。それよりも最上段の師団/軍団を目立たせるほうが大事です。装備、士気、移動力は頻繁に使用するので少し大きめのサイズ。ゲーム中に参照する書体を統一することで、カウンターが落ち着いたものとなり、プレイヤーの思考を妨げません。

ゲーム開始時だけ必要な初期配置ヘクスはTimes系のフォントで、他の書体と区別しているのもポイント。セットアップの際はTimes、ゲーム中はUniverseと、フォントによる情報の分化が行われるので必要な時、必要な情報が視覚に飛び込んでくるわけです。

今ではDTPのおかげもあって色による情報追加が容易になったため、上とは異なる方法のデザインが取られるようになりましたが(セットアップ・ヘクスの文字色を変える、士気の値を小さくするのではなく色つきの箱に入れる、所属軍団ごと兵科記号を色分けする、など)、不自由な時代の工夫に学ぶことは多いのです。

はい、ここからブーメラン覚悟で国産ウォーゲームのフォントについて書きますと、様々な要望もあってよく使う数字は大きく太くという傾向です。その考え自体は間違いではないものの、何でもかんでもImpactを使えばいいというものではありません。散々使ってきてどの口が、と言われそうですが。

b0142122_09123348.jpg

JWC『マレー電撃戦』でも使われていましたね。この書体、しょっちゅう見かけると思った方もいらっしゃるでしょう。石投げたらImpactに当たるというレベル。海外のゲームで使われている記憶がなかったのですが、最近では『Tango Down』で使われていました。
b0142122_09154901.jpg
太くて大きくてくっきりしているのはよいのですが、もともと広告のコピー用に開発された書体だけあって自己主張が強い。『Tango Down』の「真上から見た兵士のイラスト」くらいユニットに別の主張があれば気にならないのですが。

b0142122_09281312.jpg

JWC『独ソ電撃戦』ではBebasをベース・フォントに用いました。Netflixのロゴにも使われているフォントで、しっかり主張はするけれどうるさくはありません。1桁と2桁の数字が並んでもバランスがいい。師団と所属軍集団はBebasと似ていますがFutura系。どちらもゲーム中には不要となる情報です。またJWC版では所属軍集団ごと色分けされたストライプをつけましたので、初期配置の際も文字を確認する必要がなくなりました。

ユニット下段を色違いにしたのは兵科の違いを明確にするため……と言うよりは、スタックさせた際、いちいち下のユニットを調べなくても瞬時に戦闘力を計算できるようにとの配慮からです(10-10の下にいるのが10-10とは限りません)。

b0142122_10122000.jpg

ちなみにBebasの代わりにImpactを用いるとこんな感じになります。

b0142122_09393156.jpg

ちなみに『ミッドウェイ海戦』では、こちらもUniverseと並んで伝統的な書体Futuraを使っています(日本では「ナチスを連想させる書体だ」と誤解されていたあれです)。戦闘機のみ空中戦値を持つために値は右上に、爆撃機と雷撃機のみ攻撃力を持つので値は左下に配置しており、特別ルールを伴う急降下爆撃機には爆弾のアイコンがついています。また状況に応じて戦闘力が変化する雷撃機の攻撃力には白縁をつけてリマインダーとしています。イラスト(シルエット)は絶対に必要な情報(白)ではないので、スミにして区別。

ということで月並みな結論ですが、道具がどんどん便利になっているので正解はこれだ、と決めつけるのではなく、今後とも工夫を重ねていきたいと思います。



2019年4月18日の話題:
K.G.M.C.活動日記
ONE EVENING
Si-phon開発者BLOG
ウォーゲームで歴史に思いを馳せる
ウォーゲーム武芸帳
とりあえず日々ボードゲーム
ヘクス・イン・ゲームズの店長日記
もりつちの徒然なるままに
小さなウォーゲーム屋店長ブログ



by yas_nakg | 2019-04-18 10:00 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 04月 16日

ゲームマーケット2019春、JWC版『独ソ電撃戦』発売決定

そのうちオフィシャルな発表があるはずですが。

b0142122_11115654.jpg
これですね。恐らく仕事の都合で私は当日、参加できないかと思いますが、試遊卓で4人プレイとかがっつり楽しめるのではないでしょうか!! 悔しいのう。

はねはね氏が指摘されているように、連結ゲームになるとソ連第11軍右翼の鉄壁がなくなるのでソ連軍の守りが相当難しくなります。それに関してはドイツの軍集団境界線越しの作戦に制約があったり、北と中央でそれぞれ勝敗を競うことで、「中央突破だけで勝つ」ということはできなくなっておりますので、相変わらずドイツ軍は楽には勝てないようになっています。

中央から北に延びたマップですが、南や東には延ばしたいという方がおられましたら応援させていただきます(他力本願寺)。



2019年4月16日の話題:
『下手の横好き』

札幌歴史ゲーム友の会掲示板
9Joeのらくがき帳
bqsfgameの日記
K.G.M.C.活動日記
Si-phon開発者BLOG
YSGA例会報告

ウォーゲームで歴史に思いを馳せる
とりあえず日々ボードゲーム
マイケルの戦いはまだまだ続く
もりつちの徒然なるままに
求法巡礼
広島・ゲーム・サービス例会情報
松山六角会
積読SLGゲーマーの奮闘記
閑人工房


by yas_nakg | 2019-04-16 11:52 | ほぼ日 | Comments(1)
2019年 04月 12日

『アルデンヌ』と合体させたら日独戦もできるの?

b0142122_07561214.jpeg
Tiny Battle Publishingから『Rifles in the Ardennes』の続編で太平洋戦線版の『〜Pacific』のプレオーダーが始まっております。『〜Ardennes』はブログで紹介記事を書いた記憶があったのですが、気のせいだったかもしれません。

プレイヤーは1個分隊程度を率いて黙々とミッションをこなしていくというこのゲーム、絶対的な位置を用いるマップではなく、彼我との相対距離を測るためのマップと言うかボードを用いることが特徴で、「兵士の視点で戦場で何ができるのか」ではなく、部下である兵士に、前進しろ、撃て、斬り込め、動くな、など、の命令を下す、分隊長としての決断が求められます。その命令が及ぼす影響が非常に大きいので、現場におけるデシジョン・メイクの重要性を実感できるというもの。

『〜Ardennes』では、プレイヤーはドイツ軍でもアメリカ軍でも、いやソ連軍でもプレイできますが(タイトルこそアルデンヌになっていますが、大戦後半の歩兵戦闘全般が対象だと思ってください)、ということは『〜Pacific』では日本軍でもアメリカ軍でもプレイできるのでしょうね。両軍のドクトリンの違いがどの程度ルール化されているのか楽しみです。

これ、ボードがシンプルなので、ユニットはもっとカラフルに、あるいは立体にすれば映えると思うんですよね。



2019年4月12日の話題:
ウォーゲーム武芸帳
とりあえず日々ボードゲーム



by yas_nakg | 2019-04-12 08:16 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 04月 11日

イタリアに怪しい雑誌を送る

いや全然怪しくないんですけどね。

ミッドウェイ海戦』のルール英訳をしてくれているイタリアのニコラさんから、「そう言えば日本製の『ミッドウェー海戦』のソリティア・ゲームがあるんだって? 何とか入手できへんか」と頼まれまして、秘蔵のコレクションを差し出すこととなりました。ニコラさん、とにかく日本のウォーゲーム事情に詳しくて、「ゲムマ大阪出るんやろ、せやったら『珊瑚海決戦カードゲーム』買うてきたらんかい」と頼まれたほど。

ということでニコラさん、確かに今日EMSで送りましたよ!!

ちなみにニコラさんのルール英訳は間もなく完成するとのことで、それがアメリカに渡ってアンクル・ジャックのお眼鏡にかなえば新たな展開につながるかもしれません。つながらないかもしれません。ちなみのちなみで以前に紹介したクレタ島降下作戦のゲーム、イタリアで絶賛テストプレイ中とのことで、何だか評判がよろしいようです。
b0142122_13041255.jpg

2019年4月11日の話題:
K.G.M.C.活動日記
Si-phon開発中ブログ
ウォーゲームだもの
ウォーゲーム武芸帳
小さなウォーゲーム屋店長ブログ
※さばげ隊長に挑戦状叩きつけたった(あ、これ負けフラグ)。

曲がりシッポ別館



by yas_nakg | 2019-04-11 13:18 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 04月 10日

パラ・ベラムのぶれない姿勢

b0142122_13580766.jpg
『パラ・ベラム』も早5号。半年に1冊のペースをキープしていますね。

第5号は1942年の東部戦線。赤軍による冬季攻勢が付録ゲーム。

b0142122_14010916.jpg
ああ、もう冬ですね。寒々しいです。マップの縁が凍り付いちゃってますよ!! こんな表現は初めてじゃないでしょうか。

ちなみにこのゲーム、主役はイタリア第8軍です。ほとんどの東部戦線ゲームでは脇役に徹することになる、あの第8軍です。『ニュー・シネマ・パラダイス』のトトの父ちゃんも第8軍配属でしたっけ。スケールが大きくなると評価が厳しくなるイタリア軍ですが、戦術戦闘では勇戦しています。このゲームでは果たして。それにしても付録ゲームでは断固としてイタリア軍しか扱わない姿勢に惚れ惚れいたします。

b0142122_14075014.jpg
入荷はもう少し先ですが楽しみです。ナポレオンのイタリア戦役のゲーム『Au Pont de Lodi』も出版されるようで、こちらはバタイユ・システムとのこと。


2019年4月10日の話題:
9Joeのらくがき帳
K.G.M.C.活動日記
Si-phon開発者BLOG
SOLGER航海日誌
ウォーゲームで歴史に思いを馳せる

とりあえず日々ボードゲーム
ヘクス・イン・ゲームズの店長日記
ボードゲームリプレイ

マイケルの戦いはまだまだ続く
ミドルアース大阪本部のブログ
もりつちの徒然なるままに
戦闘教師「ケン」華東大乱編

書き逃げ旅団




by yas_nakg | 2019-04-10 14:36 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 04月 04日

ミランダはイノベーターやで〜

今週は帯状疱疹のためにダウン中ですが、あれ、本当に

● ストレスがトリガーになる
● 本当に辛い
● 時間かけて回復するしかない

んですね。先週の月曜日に、「それが引き金や」と言われたら「それや!」と即答できるほど面倒臭いことがありまして。現在投薬中ですが、ストレスを避けろ、よく寝ろと医者に言われたものですから、『Blitzkrieg in the West』のルールをがっつり読みつつ毎日8時間寝ています。

ゲーム・デザインはジョセフ・ミランダ氏。本エントリのタイトルですが、これ、ポーランドのウォーゲーマーであるマジェクさんに言われたことで、「それな〜」とJKのように二人してキャッキャウフフしておりました。その後で「細かいことはさておき」とお互いに付け加えましたが。ポーランドへ行った時の話は『BANZAIまがじんEX』で書き始めたのでよろしくお願いします(ダイマ)。

本作でもイノベーターぶりは発揮されておりまして、フルマップ1枚強、カウンター・シート2枚(歩兵は軍団規模、機械化は師団規模が基準)という標準的な1940年の西部戦線キャンペーン・ゲームのルックスですが、「1940年のキャンペーンが史実のように終わるとは誰も想像できなかった」という観点から、2つの不確実性に焦点を当てたデザインとなっています。即ち、

  1. 戦術/作戦的な不確実性: 1940年のドイツ軍と言えば電撃戦でしょ、というのは後知恵であって、実際は第一次世界大戦末期の浸透戦術の延長でしかありません。というのは『電撃戦の幻』(カール=ハインツ・フリーザー/中央公論新社)に詳しいですが、まさにその通り。ゆえにこのゲームではドイツ軍が電撃戦を行える特別なルールはありません。ゲーム開始時に両軍は「作戦カード」を選んで戦争準備を行うわけですが、それによって初めて機動戦が可能になるのです。基本は両軍ともシングル・インパルスなのですが、作戦カードにより第2、第3インパルスまで可能になります。詳細はまたの機会に譲るとして、連合軍が(背伸びして)機動戦にチャレンジすることも可能ですし、(無理して)アルデンヌの守りを固めることもできます。
  2. 国家のモラル: 1940年戦役では、まだ抵抗できる力が残っているにもかかわらず、連合国は降伏しました。第一次世界大戦の流血の悪夢を引きずっていたからで、ひどいことになる前に幕引きしようと判断したのはその理由の一つであると、ミランダ氏はデザイナーズ・ノートに書いています。ドイツにしても1940年戦役当時は国内の体制は盤石とは言えなかった。各国は戦闘を通じて様々な形で「ショック・ポイント」が蓄積され、それが閾値を超えると崩壊する仕組みとなっております。

プレイヤーは1940年戦役のドイツ軍または連合軍の司令官となり、史実を追体験するのではなく、戦争に勝つために(敵国を崩壊させるために)何をするのか計画します。そのためにどのような準備をするのか、作戦カードを使ってプランを練り上げていくわけです。

これに航空作戦が加わってさらに展開の幅が広がりそうなのがポイント。早くやってみたいです(できれば連合軍で)。


2019年4月4日の話題:
bqsfgameの日記
Si-phon開発者BLOG
ウォーゲームだもの
ウォーゲームで歴史に思いを馳せる
ウォーゲーム武芸帳
とりあえず日々ボードゲーム
はやるOne-Man-Show
ヘクス・イン・ゲームズの店長日記
マイケルの戦いはまだまだ続く
もりつちの徒然なるままに
三楽堂によるボードゲームの記録
小さなウォーゲーム屋店長ブログ
書き逃げ旅団
松山六角会
歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei
浜松ボードゲーム同好会
積読SLGゲーマーの奮闘記
舞方雅人の趣味の世界
荏苒日を送る
軍曹亭日乗
閑人工房
21ゲーム日記



by yas_nakg | 2019-04-04 07:56 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 04月 01日

【日本すごい!!】ボードゲームに登場する最強日本人とは

b0142122_09344302.jpg歴史を扱うウォーゲームには世相が反映されています。例えば中国がGDPで日本を抜いて世界第2位になった頃から、アメリカでは中国の覇権主義をテーマとしたゲームが立て続けに発表されました。日本版も発売された『レッド・ドラゴン・ライジング』(2008年)はあまりに有名です。副題は「来る中国との戦争」、滾っちゃいますね。

最近、イスラム勃興期をテーマにしたゲーム『アポカリプス・イン・ジ・イースト』(2019年)や『ジハード』(1981年、19年に再版)が発表されたのは、イスラムに対する理解を深めたい(それがどのような動機に基づくかは別として)というムードがあるのかもしれません。

さて、ウォーゲーム華やかなりし頃の1970年代から80年代にかけては、もちろん(幸いにも起こらなかった)第三次世界大戦をテーマにした作品が多かったのですが、80年代中盤からは「日本もの」も増えてきました。その頃から自動車を中心に日米貿易摩擦がいよいよ問題となり、1985年にはアメリカの対日貿易赤字が500億ドルに達し、円高誘導のプラザ合意が発表されました。日本、やばい存在です。

汝の敵、日本を(ゲームで)知れ、てなもので、例えば第二次世界大戦欧州戦線の歩兵戦をテーマにしたカード・ゲーム『アップ・フロント』(1983年)のモジュールとして、太平洋戦線の『バンザイ』(1984年)が出版されました。パッケージ・アートに、当時のアメリカ人の日本人に対する憎悪と畏怖を感じることができます。ゲームの中でも日本兵、強いです。

これがいきつくところまでいくと石原慎太郎を首相とした「ノーと言える日本」が空母〈ヒロヒト〉を配備してアメリカと第二次太平洋戦争を始める『レッド・スカイ・モーニング』(1991年)になりますが、バブル崩壊が始まった頃に出版されても、当事者としてはネタとして笑いにくいものがありました。

さて、時代は流れてジャパン・バッシングからジャパン・パッシングの時代。リアルの世界だけではなく、歴史ゲームの世界でもアメリカのカウンターパートとして中国、あるいはイスラムに注目が集まっているのは冒頭で書いた通りですが、久々に日本が、しかも個人が歴史ゲーム(現代戦)に登場していたので紹介したいと思います。

海賊を壊滅させた男

2012年発売の『ソマリ・パイレーツ』。まだメーカーには在庫があるようです。ソマリア沖の海賊を殲滅するために多国籍軍が軍事行動を起こしたら? という仮想設定の基づく作品で、デザイナーはジョセフ・ミランダ氏。氏は独自の文法でCOIN(カウンター・インサージェンシー)作戦を表現していますが、本作にはそのベーシックな要素がほとんど盛り込まれています。

b0142122_10263232.jpgゲーム・システムを説明すると長くなるのでポイントだけ紹介すると、多国籍軍、ソマリア海賊とも世論やメディアを味方にすることで得られる「ネットウォー・ポイント」を使って部隊を動員したり、作戦を行ったりします。多国籍軍にはズムウォルト級ミサイル駆逐艦や空母打撃群に交じって、ユニークなチットがランダムで登場する可能性があります。

左はカウンターシート(BGGから拝借しました)なのですが、右下に注目してください。一風変わったカウンターがありますが……。

b0142122_10320241.jpg拡大してみましょう。「Sushi Zanmai」と書かれているのがおわかりになるでしょうか。このチットはすしざんまいの社長木村清氏を表しており、多国籍軍プレイヤーがこのチットを引くと、ジブチ、ソマリアで漁業のインフラが整備され、海賊側のネットウォー・ポイントがマイナス50されるというものです(海賊プレイヤーがこれをくらった後で挽回するのはかなり困難)。

すしざんまいの木村社長についてはご存じの方も多いでしょう。「ソマリア海賊を壊滅した」とされる日本人です。詳細はリンク先を参照。

もちろんゲームでは木村社長が述べている通り、多国籍軍海上戦力による海域制圧は欠かせません。海賊の跳梁を許していては多国籍軍側のネットウォー・ポイントが減少していくからです(そして成果をあげないと世論の支持を得られません)。しかし「海賊の多くは小さい船で、持っているのもロシア製の粗末な機関銃だけ。蹴散らしても、ほかに暮らす手段がなければまた海賊に戻るだけ」(*)で、潰しても潰してもチープな海賊船が登場して多国籍軍プレイヤーを悩ませます。ところが「Sushi Zanmai」チットがあれば海賊の支持リソースたるネットウォー・ポイントを根絶やしにできる=漁業をビジネスとして成立させることで、海賊行為をする動機をなくすることができるのです。これは大きい。

『ソマリ・パイレーツ』では、鈴木社長が言うように、武力によるハード面での制圧と、(Sushi-Zanmaiチットによって)ビジネスの機会を提供するソフト面での切り崩しにより、多国籍軍はソマリアの海賊を効果的に殲滅できる様が描かれています。見事なシミュレイション、さすがはジョセフ・ミランダ氏です。

泥沼になりがちなCOIN作戦をたった一人で終わらせる可能性を持つ日本人・木村清。彼が歴史ボードゲームに登場する最強の日本人の一人であるのは間違いないでしょう。

(*)すしざんまい社長が、あの「海賊壊滅作戦」の真相を語った!(賢者の知恵/現代ビジネス)

重要: 今日は4月1日だからな。


by yas_nakg | 2019-04-01 00:01 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 03月 29日

クレタ島の戦い

b0142122_14473466.jpg
フィリピン攻略戦のゲームを以前つくりましたが、それの中国語版が出て、英語ルールをつけたものがアメリカでも少数販売されたせいか、あのシステムを使ってクレタ島の戦いをデザインしているという人が現れました。こマ?

b0142122_14474112.jpgクレタ島の戦いをこのくらいのスケールでゲームにするのなら、バルカン戦役の一環として意義を問うのがいいんじゃないかと思ったりするのですが、どうなんでしょう。ああ、自分でつくればいいのか。41年のバルカン・キャンペーンをデスティネーションっぽく。『BANZAIまがじんEX』第2号でつけよう。

それはそうと、ポーランドのStrategy & TacticsじゃなくてTactics & Strategyのゲームを扱うこととなりました。全部箱入り、駒はダイカットだそうです。最初はアルデンヌとワルシャワの「1944」ものからスタートしますが、ご当地アイテムをメインに扱っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。『電撃戦1939』とか『ワルシャワ1920』とか、心引かれるものがあります。

最近話題の海戦ゲームですが、T&Sにも『戦艦ビスマルク』がありまして、どうも太平洋戦争のシナリオも含まれているらしい。にしても、プレイ時間15-20分間っていったい。


2019年3月29日の話題:
bqsfgameの日記
Immelmann Official Blog
Si-phon開発者BLOG
SOLGER航海日誌
アンブッシュのゲーム日記
※データが必要であればいつでも……。

ウォーゲーム武芸帳
とりあえず日々ボードゲーム

もりつちの徒然なるままに
小さなウォーゲーム屋店長ブログ
歴史・戦史研究「ちはら会」Zwei
軍事系まとめブログ



by yas_nakg | 2019-03-29 15:12 | ほぼ日 | Comments(0)
2019年 03月 27日

『格闘級!航空母艦の戦い』の可能性

と、その前に。


あのさあ……。

ゲームマーケット大阪にて、ジブセイルゲームズさんの新作『格闘級!航空母艦の戦い』を見せていただく機会に恵まれました。

b0142122_08431780.jpg
タイトルからわかるように、戦術戦闘重視の空母戦ゲームとなっております。『ミッドウェイ!』(64年)の昔から、索敵ボードで敵を発見したら、戦闘ボードで戦闘を解決するお作法が生まれましたが、本作はその戦闘ボードにおいて両プレイヤーの戦術の腕を競わせることに重きが置かれています。STRブランド第2弾での発売を予定していた大平英樹氏の『CV』もそんな感じで、「慣れると簡単に空母に魚雷を当てられるようになる」と、ベテラン搭乗員のような口ぶりで解説されたのを記憶しています。プレイヤーの戦術戦闘能力が作戦級ゲームの戦果に直結するのは、『バトル・オブ・ブリテン』(85年)も同じ。

b0142122_08512494.jpg
だとすると、索敵ボードを廃してしまって(シムカンの)『IJN』(78年)みたいな戦術戦闘に特化したゲームでいいんじゃない? と思ってしまったのですが、これに対してデザイナーの長浜氏は明確な意見を持たれていました。即ち、本作は「格闘級」と言うよりは「シネマ級」である、と。戦争映画では、戦略的な視点、作戦的な視点、戦術的な視点という具合にシーンが切り替わって、それぞれの立場で見えてくる情景が異なります。このゲームでもそれと同じことをやりたい、というわけです。なるほど。

ゲームとしては、それぞれの視点で性質の異なる葛藤があり、決断を下さなければならない。そして求められるテクニックも異なるということで、非常に贅沢なものに仕上がりそうです(プレイ時間が気になりましたが、今のところ4-6時間だそうで、それなら十分許容範囲でしょう)。

b0142122_09405436.jpg
そうなると「演出」として各艦の状態は詳細に表現する必要があり、例えば多くのゲームが耐久力を「船体」ひとつでまとめているのに対し、このゲームでは右舷と左舷に分け、片舷からの集中攻撃が有効になっています。傾斜を抑えるために損害を受けたのと反対側にやむを得ず注水する、という状況も描かれるわけですね。また、爆撃による装甲貫徹も判定されるので、爆撃では戦艦の主砲は破壊できないといったこれまでのゲームでは表現できなかった要素まで表されています。

様々な視点を映画のようにひとつのゲームに盛り込み、それぞれ丁寧に描くのは相当たいへんかと思いますが、それだけに『格闘級!航空母艦の戦い』、完成が非常に楽しみであります。





2019年3月27日の話題:
ウォーゲームだもの
ヘクス・イン・ゲームズの店長日記



by yas_nakg | 2019-03-27 10:27 | ほぼ日 | Comments(0)