勇んどりましたワナ

つぶやいていた通り、かくれKGGで『イサンドルワナの戦い』を対戦してきました。ズールー戦争の序盤、イギリス軍がひどい目にあった戦いを再現した戦術級ゲームです。少し詳しいゲームの解説はこちら

『イサンドルワナの戦い』のココがすごい!!
  • 盤上で再現される大スペクタクル!! わかってはいましたが、やはり少数のイギリス軍が圧倒的多数のズールー軍に包囲される光景は圧巻の一語に尽きます。こうしたスペクタクルを体感させる方法はいろいろあるのでしょうが、状況を俯瞰して一目でわかるボードゲームはやっぱり優れていると感じられました。
  • ゲーム・システムがリーズナブル!! ルールは(いつもながら)荒っぽい印象を受けますが、実際にプレイするとデザイナーがプレイヤーに何を考えさせようとしているのか、また歴史のどういった部分を味わわせようとしているのかが伝わってきます。洗練されたゲーム・システムとはこういうことか。
  • イギリス軍プレイヤーに対する配慮が行き届いている!! これはTOROさんが気づいたこと。戦闘力や移動力が決まっているならズールー軍ユニットに数値を入れとけよ、とか思ったりしたんですが、「数字が入っていたら戦う前から負けた気になる」とのこと。これはきっとタイ・ボンバのイギリス軍プレイヤーに対する配慮だろう、と。

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『イサンドルワナの戦い』ココが残念!!
  • 競技ゲームには向いていないこと。戦いがそうなんだから仕方ありませんが、基本的にワンサイドになります。イギリス軍には逃げるか、生き延びるかの選択肢しかないわけですが、前者は移動力の関係で少し厳しそうで、後者なら史実同様に後背を襲われない場所で半円陣を組み、あとはダイスの目勝負ということになります。しかしワンサイドと言ってもイギリス軍も相当暴れられる=敵ユニットを屠っていけるので、一方的にやられているという感じはしません。

カバー・ストーリーの副教材としてマガジン・ゲームのあり方の一つですよね、という話で盛り上がっておりました。



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by yas_nakg | 2018-12-10 16:04 | 海外ゲーム【L】 | Comments(0)

 一度主戦場をTwitterに移すとなかなかブログに戻れませんね。とは言え長文を書くのはブログのほうが楽だったりします。

 WW誌の新作『ルソン・キャンペーン』であります。


 はい、プレイヤーは第6軍の司令官となり、規定時間内に日本軍を掃討しなければなりません。

 基本システムはこれまでタイ・ボンバ氏が発表してきたソリティア・システムを用いています。即ち、ゲーム開始時は海岸堡の4ヘクスを除く全てのヘクスを日本軍が支配しており、アメリカ軍ユニットが移動するたび、日本軍の発生チェックを行って日本軍が出てくれば戦闘発生、勝てばさらに移動を継続できるというアレです。しかし、


いつもなら、敵ユニットがそれなりにあって、そのヘクスにいた数だけランダムに引いて戦闘を行います。相手がドイツ軍でも、ソ連軍でもそうでした。しかし1945年のルソン島。日本軍に組織的な抵抗もできるはずもなく、日本軍支配下ヘクスに進入してもまともな戦闘は発生しません。アメリカ軍の移動を遅らせることができるだけなのです! だからこのようなカウンター・シートの構成になっています。

 しかし、日本軍もただやられる一方ではありません。ゲーム中1回だけ、1/6の確率で尚武集団の大反攻が発生し、アメリカ軍に殴り込みをかけます。これが成功するとサドンデス敗北となるのです。また、史実のルソン戦役なんてイージー・モードじゃん、と思われる方には、

● 上陸地点がマッカーサーの気まぐれで決まるシナリオ
● 山下将軍のフィリピン着任が史実より早まって防備を固めるヴァリアント
● さらにレイテ島を放棄して第三十五軍をルソン島の防衛に回すヴァリアント

が用意されています。全部盛りのハーディスト・モードだと、尚武集団の反攻 with 第三十五軍が強力すぎる気がするんですが。

 あと、ランダム・イベントで捕虜/民間人収容所を解放するために部隊を割かなければならないことがあり、これが毎ターン続くと結構大変。そこを尚武集団に襲われるともう!

 史実でどんなことが起こったのかを追体験するのにソリティア・ゲームは向いていますが、戦場によって基本システムにどのようなアレンジが施されているかを眺めることで、さらにその趣が増しますね。



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by yas_nakg | 2018-04-26 08:48 | 海外ゲーム【L】 | Comments(0)

マレーの虎、ならぬ獅子

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 以前、マレー・キャンペーンをデザインしたことがありますが、結構たいへんでした。進撃路が限られているので作戦的余地も制限される、勝利条件がシンガポールの陥落に集約されるのでやることが決まってくる、などといった、作戦術を競いにくい状況のためです。『マレー電撃戦』(エポック)は特殊な戦闘システムで部隊運用を重視し、イベント・カードを用いることで戦術的なバリエーションを与えることでこの点に挑みました。『日本の進撃』(ホビージャパン)は航空作戦を重視してゲームに立体感を与えていました。

 『シンガポール陥落』では『ブダペスト '45』のシステムを用いることで疲労と部隊の継戦能力というジレンマを再現し、シンガポールを陥落させられる状況をつくれたかどうか、を勝利条件にすることで作戦の展開余地を与えてみましたが、後者は寸止め感ありありで、別マップでシンガポール攻略戦に移行するオプションを用意すべきだったと思っております。

 さて、そんなゲームにしにくいと思われるマレー・キャンペーンですが、以前に『Yaaah!』誌の付録になっていたものがジップロックで登場しました。ほーん、どんなものやろと上から目線でルールを読みましたが、これが結構面白そうなのです。いろんなアイディアが盛り込まれています。

●機動戦と突撃
 移動-戦闘シーケンスと戦闘-移動シーケンスが選択式となっており、前者は機動戦、後者は突撃になります。機動戦の時は両軍とも練度(ユニット下段中央の数値)のみを戦闘力として用いますが、突撃なら火力(ユニット下段左の数値)と練度を加えたものが戦闘力になります。使用する戦闘結果表は同じ。簡単なルールで非対称な軍隊を再現しています。

●師団の疲労
 ユニットは連隊/旅団規模で、師団ごとまとめて疲労レベルを持ちます。これが高くなると戦闘で不利な修整がつき、さらに疲労しやすくなるという負のスパイラルに陥ります。そこでどこかで休みを取らなければならないのですが、無理を承知で戦うこともでき、プレイヤーに決断を迫ります。

 また師団ごとアクティベーション・チェックを行い、成功すれば移動も攻撃もできますが、失敗すると移動のみ可能。しかも移動力半減。日本軍の第5、第18師団は元気いっぱい、チェックには必ず成功します。

 オーストラリア軍はユニット単位では優秀ですが、第8師団を率いていたベネット将軍が全軍の指揮をかき乱しました。そのためオーストラリア軍のアクティベーションは1/3の確率でしか成功しませんが、英軍プレイヤー=パーシバル将軍がベネット将軍を取り立てるのであれば、オーストラリア軍は自動的に活性化します。

●航空作戦
 戦闘機と爆撃機があり、邀撃、地上攻撃、海上攻撃、カウンター・エアーと言った任務を行えます。地上攻撃は近接航空支援ではなく、敵師団の疲労度を上げるために行います。カウンター・エアーとは、飛行場を爆撃したり駐機中の敵機に機銃掃射を浴びせたりすることで、敵航空ユニットのステップを問答無用で奪う強烈な攻撃です。

 零戦と同じレーティングのバッファロー戦闘機がありますが、「間違いじゃないよ」とデザイナーズ・ノートに書かれていました。

●戦車と対戦車砲
 これらは「アセット」と呼ばれ、連隊/旅団に割り当てられ戦闘力を高める効果があります。対戦車砲があるエリアを戦車で攻撃すると、戦闘とは別に戦車を喪失するリスクが生じます。マレー名物ですね。

●日本軍の浸透移動
 英軍はエリア内の道路沿いを守っているとみなされるので、背景の移動コストを消費することで、日本軍はそのエリアに突入して、さらに外へ移動できます(同一エリアに留まることはできない)。出る時には道路移動が可能なので、道路沿いに縦深陣地を用意しておかないと英軍の戦線は簡単に突破されます。部隊を縦深に配置すると正面戦力が減少して高比率戦闘を食らい、パニックを起こして総崩れになるリスクもあります。英軍司令官の絶望を味わうことができます。

 勝利条件は日本軍がいつシンガポールを攻略するか、または守備隊を降伏させるかで、シンガポールは拡大マップが用意されています。水源を押さえると守備隊に諦めムードが漂うといった歴史的フレーバーも素晴らしい。

 ただTBPの常でルール記述に難ありでして、例えば拡大マップにおけるスタック制限が明確に書かれていなかったり(2個のはず)、アセットは戦闘解決時のダイスの目修整に用いると書かれていますが、日本軍戦車が複数戦闘に参加した時はどうなるのか不明だったり(対戦車砲はダイスの目修整、戦車は戦闘力に加算だよなあ)するので、想像力で補う必要があるかもです。

 まだプレイできていないので紹介したルールがどのような効果を発揮するのかはわかりませんが、ゲーム化しにくいテーマでも見せ方によっては魅力的な作品に仕上げられるということを学んだ次第であります。



2018年2月5日の話題:
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by yas_nakg | 2018-02-05 09:17 | 海外ゲーム【L】 | Comments(0)

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by yas_nakg | 2016-01-28 08:34 | 海外ゲーム【L】 | Comments(0)