イタリアのウォーゲーム雑誌
「パラベラム」最新号が到着しております。第7号であります。付録ゲームは『
Banditen!』。山賊を意味する「Bandit」のイタリア語で、イタリア社会共和国と戦ったパルチザンをテーマにしています。さすが「パラベラム」、イタリアンなテーマへのこだわりはさすがです。巻頭記事ももちろん……
次は唐突にバルジの戦いに関して。

日本のゲーム雑誌でもよくやる手法ですが、ひとつのテーマに対して関連するゲームをいくつか紹介し、その比較を行っているみたいです。
さて、付録ゲームはA2判マップ両面印刷で2つの戦いを楽しめる内容になっています。ひとつが1944年12月(Dicembre)12日から14日にかけて行われたグラヴェッローナ・トーチェの戦い……とルールブックに書かれていましたが、マップには9月(Settembre)13日から14日になっていますね……。
元ゲームがこれっぽいし、
Wikipediaの記述もそうだし、9月で間違いないでしょう。

コミュニストとそうでないイタリアのパルチザンが、ドイツ軍とイタリア社会共和国軍(RSI)が支配するグラヴェッローナ解放を目指します。同じパルチザンでもコミュニストとそれ以外で仲が悪いとか、ドイツ軍が全くやる気がないとか(あっさり降伏します)、拠点がパルチザンに占領されるごとにRSIのモラルがだだ下がりになるとか、それっぽいルールが用意されています。
ゲームは戦術的なメカニズムを用いており、両軍が交互にスタック単位でアクションを実行。アクションの内容(射撃や移動、混乱からの回復)によって消費する活性化ポイント(AP)が異なり、APが尽きるとそのターンの行動は終了。面白いのは未使用のAPは繰り越しが可能なことで、じっと耐えてからのAP一気消費による大攻勢もできます。もっとも両軍とも士気が微妙なので、思ったとおりの戦果はあげられないでしょうが!!

もうひとつが
1945年のタルノヴァの戦い。しらそん。こちらはRSIとユーゴ軍の戦闘ですが、増援でちょろっとイタリア・パルチザンが登場するので、「イタリア・パルチザンの戦い」なのです。トーチカに籠もるRSI部隊をあぶり出すのにユーゴ軍が得体のしれない野砲を撃ち込みますが、そもそも砲弾の数に限りがあるので数発撃てば砲兵ユニットは消滅します。RSI部隊は自動火器が充実しているので射撃時に有利な修整がつきますが、こちらも弾切れまったなし。グダグダな非正規戦闘が展開されます。
民家を救護所にして負傷兵の治療を行っていたようですが、そこにユーゴ軍兵士が乱入して医療スタッフから負傷者から皆殺しにしたという惨事がありました。ゲーム上ではユーゴ軍プレイヤーにペナルティがつくので、わざわざこれを再現するプレイヤーはいないと思いますが……。

カウンターは1/2インチ角。真ん中の温度計はタルノヴァの戦いで使用するマーカーで、気温が急激に低下すると重火器が射撃できなくなる、などのルールが用意されています。基本ユニットは兵科記号つきですが、戦力を分割することも可能で、その場合はイラスト入りの補助ユニットを使用します。

こちらも印刷・製本済みの日本語ルールブックがついております。日本語訳の際にはイタリアのウォーゲーマー、
ニコラさんにいろいろご教示賜りました。ありがとうございます。