探し物をしていたら、
この論争は1770年から1830年までに出版された兵棋を調査した研究で取り上げられており、この時期にダイスの使用が一般に拒まれたことが指摘されています。
— 武内和人【安全保障学・軍事学を学ぶ】 (@Kazuto_Takeuchi) October 31, 2019
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Schuurman (2017) Models of war 1770–1830(無料アクセス)https://t.co/KjpTYXZSOr
こちらのTweetを見かけました。「Models of war 1770–1830: the birth of wargames and the trade-off between realism and simplicity」全文無料公開されているので突撃しよう。
「リアリズムとシンプルさのトレードオフ」は1806年にOpizが出版したウォーゲームについて述べた章題の一部。Tweet主が述べられているように「ダイスの出目に依存した詳細かつ膨大な規則を含むOpizの兵棋」に関する問題です。リアルでもなく、手間でもあると。
Wikioediaによれば、民間と軍事両方の需要を狙ったものの、ダイスを用いた不確実性(移動の成否やランダム・イベント、戦闘解決)とグリッドを持ついたことが不評だったようです。Das Opiz'sche Kriegsspiel、BGGにありました。何でもあるな。それらは現在、商業ウォーゲームではむしろリアリティを高めるウエルカムな要素として、「3つのFoW」が様々な採り入れられています。と言うかOpizの兵棋、いわゆるウォーゲームの原型として完成している感があります。
ウォーゲームをチェスの延長と見なせばこうしたランダム性はノイズになってしまうでしょうが(AHクラシックスは、Opizから戦闘以外の不確実性を排除したもの)、兵棋であればFoWから完全に目を背けるわけにはいきません。このへんのバランスが難しい。意識してやったかどうかはわかりませんが、『ドイツ戦車軍団』は「常に攻撃側が退路を決め、退却したユニットは1ターン行動できない」、『独ソ電撃戦』は「ソ連軍ユニットは戦うまで戦力不明のアントライド」というただひとつのFoW要素追加というのが美しいと思われます。
戦闘の解決はダイスを1個1回だけ(複数回、複数のダイスを振るとか絶対ダメ)というのが、長年初心者・入門者と交流してきた感想です。
という意見もうかがいました。確かにゲームをつくるほうとしては、FoWを増やして面白そうにするのは楽ですが、「リアリズムとシンプルさのトレードオフ」(とその向こうにあるもの)については常に気をつけていきたいものです。
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by yas_nakg
| 2019-12-16 09:39
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