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君も総書記になれる、かもしれない

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朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)国家運営ソリティア・ゲームの『ローグ・ステート(Rogue State)』(Tiny Battle Publishing)。2017年にPnP版が発売され、今年TBPから製品版がリリースされました。デザイナーはマーク・モリノー氏。RSは2作目で、3作目に『オペレーション・ヴァルキリー(Operation Valkyrie)』が控えている模様で興味津々です。

さてRS。見るからにネタっぽいゲームですが、ゲームは至ってロジカルなメカニズムで動くようになっています。確かにプレイヤーは北朝鮮の最高指導者として様々な決断を下せますが、彼が力を行使できるのは国内に限られており、対外的にはロシア/中国の顔色をうかがいつつ、核兵器の存在をちらつかせて周辺国から譲歩を引き出せるくらい。通常兵力では韓国とその同盟国に敵わないので、もっぱら国内の締め付けに使っている、というのがデザイナーの考えです。よって、韓国に攻め込むというオプションは存在しません。

もう一つ重要なコンセプトは、北朝鮮の国力では国家を存続させるのは非常に困難だということ。限られたリソースを最大限効率よく運用して、クーデター(主要閣僚を脅したりなだめたり)や革命を起こさないように(人民のため経済を活性化させたりインフラを整備したり)腐心しなければなりません。それでも問答無用で自然災害が時々襲ってくるので、自国の資源だけではどうにもならなくなることも。ロシア/中国に借金するのもよしですが、対外債務が増えると後々の評価に響いてきます(それにそもそも融資枠というものがありまして)。

そこで頼りになるのが核兵器の開発。開発レベルが上がれば「恫喝外交」が有効になり、北朝鮮をなだめるために周辺諸国(もちろん日本も含まれているのでしょう)がお金をくれます。核兵器開発に投じるコストより恫喝でもらえる小遣いのほうが多ければ、こりゃええわとどんどん核兵器開発に資源を回すようになる……という、たいへんアレな構図がシステマチックに描き出されるのです。ただし、自国の技術では開発できるレベルに上限があるので、他国から技術を手に入れなければならないのですが、交渉のリソースをそちらに振り向けるとロシア/中国との外交が疎かになってしまいます。

もちろん核兵器開発には強力な副作用が存在し、恫喝すればするほど「地域の緊張」が高まって、多国籍軍の軍事介入を招く恐れがあります。その軍事介入が戦術攻撃で済めば核関連施設が破壊されるだけですが、地上侵攻になると即ゲーム・エンド。何事もほどほどに(なのですが、本当に軍事介入するかどうか、北朝鮮の軍事力と核兵器の開発レベルによって多国籍軍がためらってしまうので、核兵器開発はやめられまへん、という結論に至ります)。また、オバマ大統領の「戦略的忍耐」が発動すると、恫喝外交が利かなくなるという困った事態に。そうなると、金ちゃんのどーんとやってみよう最後の手段で核兵器を使用することもオプションとして検討されるので、実はその時期が、現実でも一番危なかったのではないかと想像できます。

というデザイナーの北朝鮮観に基づいて、プレイヤーは1953年から2030年まで、1ターン= 7年のスケールで国家を運営することになります。

と、長くなりましたのでゲーム・システムの詳細は後ほど別ブログにて。風邪で寝込んでなければ週末に偉大な領袖になっていたんですが!!



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バリアント完遂というも見事にしゃぶり尽くした感!!



by yas_nakg | 2019-10-28 07:52 | ほぼ日

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