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日曜日のワイへ(連合軍の本当の計画)

連合軍の計画はうまくいっているだろうか? さばげ隊長が罠にかかっていれば、史実通り装甲部隊でアルデンヌを突破しようとしているところだろう。さらにうまくいっていれば、彼はアルデンヌから北へ行くのではなく、パリへ向かっているのではないだろうか。そうであれば、「第2マルヌ計画」が発動されていることだろう……。



すみません、金曜日の投稿はフェイクです。情報戦です。さばげ隊長はこのブログを読んでいない可能性がありますが、恐らく奥様がチェックして、

「お父さん、中黒さんがこんな偉そうなこと書いとるよ」
「ほんまや。あいつ、1回がつんとやったらなあかん。ヒイヒイ言わしたる」

くらいの会話が金曜日の夜、あるいは土曜日あたりに交わされたのではないでしょうか。ミリタリー・アドバイザーが釣られて「裏の裏かいて史実通りやったら楽勝ですよ」くらいのアドバイスしてくれていたら痛快なんですが、それはないか。

ということで、予約投稿にて連合軍の計画を公開いたします。金曜日の投稿は、逆メヘレン事件を故意に起こしたと思ってください。メタな遊び方だなおい。



ウォー・シミュレイションの楽しみの一つとして、「当時の司令官の立場で情報を分析したり、リソースをやりくりしたりしながらデシジョン・メイクを行う」があげられると思いますが、私個人としては首肯しかねるところがあります。後半はいいのですが前半、「当時の司令官の立場」にはどうやっても立てないわけです。史実の結果を知っている以上。我々は戦車がアルデンヌを通れることを知っている、戦車は分散するよりも集中して運用したほうが破壊力を高められる、という、当時の司令官が確信できなかった情報を利用できるので、情報分析やリソースのやりくりも後出しじゃんけんとなります。

当事者の気分に浸るのではなく、歴史で学んだことをどう盤上に生かすか、がウォー・シミュレイションの楽しみであると考えるのです。

と、言い訳をしておいてから連合軍の大戦略を述べますと、ドイツ軍が戦線を突破するのは避けられないことから
  • アルデンヌを突破してもらう
  • 北上されると厄介なので、ディール計画は行わずに北上する意味を失わせる→ドイツ軍にパリを目指してもらう
  • パリ防衛計画(第2マルヌ計画)を発動して突出部を刈り取る
という連合軍版バックハンド・ブローです。このゲーム、8月までプレイできますが(当時、誰がフランスがあんなにあっさり崩壊すると考えたか)、実質ひと月でドイツ軍が勝利したとの史実に引きずられて、チャンスがあれば短期決戦を望むでしょう。せっかちなさばげ隊長ならなおのこと。パリへの道が開いているように見えれば、躊躇なく装甲部隊をその回廊に突っ込んでくるはずです。

日曜日のワイへ(連合軍の本当の計画)_b0142122_06303481.jpg

マジノ線は堅持です。放棄するのに必要なコストが大きいのと、「放棄する」と匂わせておいたので「ネオ・マンシュタイン・プランじゃ!!」とマジノ線に正面突撃してくれれば楽しい……のですが、初期配置は連合軍が先なので、マジノ線があることはあっさりばれてしまうので、南方からの突破はあり得ません。ベルギーを抜けた先にはポーランド軍団が待ち構えております。中央が薄そうなので、さばげ隊長が「マンシュタイン計画」を採択してくれていればしめたものです。

セットアップは上写真のように行うつもりなので、ご覧いただけるとわかると思いますが、連合軍左翼に戦力が集中しており、ネオD計画(あ、このDはディール川のDじゃなくてDeception: 欺瞞のDです)が行われると引っかかってくれるのではないでしょうか。

日曜日のワイへ(連合軍の本当の計画)_b0142122_06351400.jpg


そこで作戦カードの内訳は、

  • 機甲支援ドクトリン(5/H)
  • エスコー計画(10)
  • 第2マルヌ計画(10)
  • 兵站合理化(10)
  • 諸兵科連合戦術(10)
  • 事前塹壕構築(5/H)
  • ド・ゴール(1/H)
  • RAF戦闘機隊投入(3)
計54ポイントです。ちなみに「H」がついているのは史実のプラン。

このゲームでは機甲戦術を高めておかないと機械化部隊が第2インパルスに作戦を行えません。「機甲支援ドクトリン」は戦車が歩兵とともに攻撃すると1シフト有利になるだけの古いドクトリンです。第2インパルスに作戦が可能になる「機甲戦ドクトリン」はコストが20かかる上、機甲旅団が全て廃止されるので(代わりに機甲師団が初期配置で完全戦力になる)敬遠しました。

その代わり、「マルヌ計画」を発動すると、パリから6ヘクス以内の連合軍は防御時に1シフト修整を受け、第3インパルスに兵科を問わず移動と戦闘が可能になります。ここが今回の作戦の肝。ドイツ軍にパリまで接近させておいて、古臭いと言われた「機構支援ドクトリン」を使って強烈な反撃を行うのです。

機甲戦ドクトリンは使えなくても、「諸兵科連合戦術」を選んでいるのでそのCRTは使用できます。CRTには強行偵察/突撃/諸兵科連合があり、ブラッディなのが突撃で、高オッズならオーバーランも望めるのが諸兵科連合。10ポイントと高いですが、反撃時に欠かせないために選択しました。

「兵站合理化」は、戦闘結果による混乱から回復しやすくなるのと、初期配置時に損耗している全てのユニットが完全戦力になるというマストバイなカード。これがあれば「機甲戦ドクトリン」がなくても機械化部隊が健全な状態で最初から戦えます。

「事前塹壕構築」は、ドイツ軍の進撃ルートをパリに誘導するためのもの。北上させる気にさせないように配置予定です。

なお、連合軍には「戦略予備」のカードがあり(10ポイント)、これを用いるとフランス国内の機械化部隊が第2インパルスで作戦を行えます。しかし効果は2ターン。「第2マルヌ計画」と合わせて4ターン、第2インパルスを戦えるのは魅力的でしたが、パリ前面での反撃は2ターンもあれば決着がつくと考え、「兵站合理化」を優先しました。

面倒に思われるといけないので金曜日の投稿では触れていませんが、このゲームで大事なのは敵にいかにショック・ポイントを与えるかということ。敵ユニットの撃破はその手段ですが、自分の計画がうまくいったら一気に大量のポイントが入ります。逆にうまくいかなければ自分のポイントが増えてしまいます。ドイツ軍のマンシュタイン計画、連合軍のディール計画はそれぞれ与えればでかいけれど外れるとペナルティも大きくなります。

ネオD計画がうまくいき、さばげ隊長がマンシュタイン計画を選んでくれていれば、それを達成するのは困難です(こちらはディール計画ではなく下がって防衛するつもりのため)。ならば、「パリ陥落させて勝ったるわい!!」というのがさばげ隊長というもの。そしてパリに向かってくれれば、伸び切った(その予定の)ドイツ軍のスピアヘッドに対し、南北から機動予備が襲いかかるというわけです。

ドイツの崩壊は不可避でしょう。



ということで48時間後のワイよ、さばげ隊長のドイツ装甲部隊はパリ前面で無残な姿をさらしているだろうか? それとも予想外のことが起きているだろうか? どちらにしてもギャラリー含めて楽しんでいることだろう!!

by yas_nakg | 2019-04-21 13:00 | ほぼ日

歴史系ストラテジー・ゲームの話が中心です。


by yas_nakg
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