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2019年 04月 18日

フォントの話(Impactの呪い)

カウンターのフォント選びは大事でして、ハズキルーペとか老眼鏡が必要な微妙なお年頃のユーザーが増えてくるとなおさら。昔のSPIとかどんだけ無茶やっとんねん……と言いたいところですが、情報量が多くても(そのぶん、文字のサイズが小さくなっても)可読性を高める工夫がされています。

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上は手元にあった『Operation Grenede』のカウンターですが、基本となるフォントはUniverse (恐らく)。ゲーム中に必要な情報はUniverseでまとめて、字数が多くなる部隊名はそのCondensedが用いられています。Condensedの級数を下げると「1」と「7」の区別がつきにくいという問題が発生しますが、ここ、ゲームではさほど重要ではないので許容範囲でしょう。それよりも最上段の師団/軍団を目立たせるほうが大事です。装備、士気、移動力は頻繁に使用するので少し大きめのサイズ。ゲーム中に参照する書体を統一することで、カウンターが落ち着いたものとなり、プレイヤーの思考を妨げません。

ゲーム開始時だけ必要な初期配置ヘクスはTimes系のフォントで、他の書体と区別しているのもポイント。セットアップの際はTimes、ゲーム中はUniverseと、フォントによる情報の分化が行われるので必要な時、必要な情報が視覚に飛び込んでくるわけです。

今ではDTPのおかげもあって色による情報追加が容易になったため、上とは異なる方法のデザインが取られるようになりましたが(セットアップ・ヘクスの文字色を変える、士気の値を小さくするのではなく色つきの箱に入れる、所属軍団ごと兵科記号を色分けする、など)、不自由な時代の工夫に学ぶことは多いのです。

はい、ここからブーメラン覚悟で国産ウォーゲームのフォントについて書きますと、様々な要望もあってよく使う数字は大きく太くという傾向です。その考え自体は間違いではないものの、何でもかんでもImpactを使えばいいというものではありません。散々使ってきてどの口が、と言われそうですが。

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JWC『マレー電撃戦』でも使われていましたね。この書体、しょっちゅう見かけると思った方もいらっしゃるでしょう。石投げたらImpactに当たるというレベル。海外のゲームで使われている記憶がなかったのですが、最近では『Tango Down』で使われていました。
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太くて大きくてくっきりしているのはよいのですが、もともと広告のコピー用に開発された書体だけあって自己主張が強い。『Tango Down』の「真上から見た兵士のイラスト」くらいユニットに別の主張があれば気にならないのですが。

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JWC『独ソ電撃戦』ではBebasをベース・フォントに用いました。Netflixのロゴにも使われているフォントで、しっかり主張はするけれどうるさくはありません。1桁と2桁の数字が並んでもバランスがいい。師団と所属軍集団はBebasと似ていますがFutura系。どちらもゲーム中には不要となる情報です。またJWC版では所属軍集団ごと色分けされたストライプをつけましたので、初期配置の際も文字を確認する必要がなくなりました。

ユニット下段を色違いにしたのは兵科の違いを明確にするため……と言うよりは、スタックさせた際、いちいち下のユニットを調べなくても瞬時に戦闘力を計算できるようにとの配慮からです(10-10の下にいるのが10-10とは限りません)。

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ちなみにBebasの代わりにImpactを用いるとこんな感じになります。

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ちなみに『ミッドウェイ海戦』では、こちらもUniverseと並んで伝統的な書体Futuraを使っています(日本では「ナチスを連想させる書体だ」と誤解されていたあれです)。戦闘機のみ空中戦値を持つために値は右上に、爆撃機と雷撃機のみ攻撃力を持つので値は左下に配置しており、特別ルールを伴う急降下爆撃機には爆弾のアイコンがついています。また状況に応じて戦闘力が変化する雷撃機の攻撃力には白縁をつけてリマインダーとしています。イラスト(シルエット)は絶対に必要な情報(白)ではないので、スミにして区別。

ということで月並みな結論ですが、道具がどんどん便利になっているので正解はこれだ、と決めつけるのではなく、今後とも工夫を重ねていきたいと思います。



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by yas_nakg | 2019-04-18 10:00 | ほぼ日 | Comments(0)


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