エリアのスターリングラードが面白そうな件

売り切ってしまったので宣伝にならないのです(くっ)。日本語ルールの完成は来年1月と書きましたが、あれは嘘。プレイ後に調整が入ると思いますが、ひとまず完成しました。

エリア・インパルス・ゲームの第一人者マイケル・リネラ氏の新作『スターリングラード: ヴォルガ川のヴェルダン』であります。BGGのページはこちら

ゲーム・システムはこれまでの作品と大きな違いはないと思いますが、昼夜の逆転があったり、ゾーン戦闘が重視されていたりといった細かな違いが見られます。デザイナーズ・ノートによると、過去の発売されたスターリングラード戦のエリア式ゲームに物足りなさを感じており、それらに対する回答として本作をデザインしたことがうかがえます。「細かな違い」はリネラ氏によるスターリングラード戦の解釈ということになります。

『ターニング・ポイント: スターリングラード』については、リサーチの問題(ソ連崩壊前なので仕方がないとしつつ)と、ドイツ軍が戦闘組織として摩耗していった事実が再現できていないことを指摘しています。もちろんゲームとしてはスリリングで面白いのですが、シミュレーションという点で戦闘のモデル化が適切でない──ソ連軍ユニットはただ駆逐されるだけ、ソ連軍プレイヤーがやることと言えば対砲兵射撃で破壊された砲兵を回復させるくらい。それでいいの?(大意)です。

『ストーム・オーバー・スターリングラード』は、カードによる情報の不確実性を評価し、エリア・インパルス・システム初心者にとっつきやすいと述べていますが、ヒストリカル性で『ターニング・ポイント〜』と同じ問題を抱えていると指摘しています。

そこで『スターリングラード』は、主にクランツのリサーチに基づいて攻勢が始まった1942年9月の状況を正確に再現。また、前述の2作が「ドイツ軍ユニットのスケジュール通りの撤収と復帰」で再現している市南北の戦闘も包含することでドイツ軍高級将校のジレンマをプレイヤーに感じさせるようにしてあります。ちなみにこの南北の攻勢は史実では失敗しており、その時の反省がウラヌス作戦に生かされています。また、ソ連軍も逃げているだけでは勝てません。昼間は制空権を取られているので仕方がないとして、夜間になればドイツ軍の航空支援と同じ威力を持つ急襲グループ(攻撃力に+1D6します)が使えるので、積極的に反撃することが可能ですし、恐らく反撃しなければいつまでたっても主導権を得られないのです。

というのもこのゲーム、攻撃を行えば必ずフレッシュなユニット1個以上が損耗します。損耗していれば除去。攻撃に失敗すれば全ユニットが損耗または除去。そしてドイツ軍は基本、1ターンにユニット2個しかフレッシュに戻せません。毎ターン2カ所の攻撃でヴォルガ河畔に迫れというのはどだい無理な話なので、出血のペースは補充のそれをはるかに上回ります。ソ連軍が市の南北で攻勢をかけたらそれに対応しなければならないし、夜間に急襲グループの攻撃を受けたらそこでまた出血して攻撃計画が狂わされる。ドイツ軍の「戦闘機械」を機能不全にするためには、ソ連軍のアグレッシブな反撃が有効なのです。これ絶対辛面白い奴や。

基本ゲームは全5ターン。それで勝利できなければ延長戦としてキャンペーン・ゲームをプレイできます。ドイツ軍は渡河点を押さえることで自動的勝利を得ることができ、そうでなければ特定のエリアを支配することで作戦的勝利を得ます。基本ゲームのプレイで3-4時間。どちらを受け持っても濃密な時間を過ごすことになりそうです。

実はスターリングラード戦のエリア式ゲームをプレイしたことがありませんで、本作でデビューしようと目論んでおります。



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by yas_nakg | 2018-12-25 12:41 | 海外ゲーム【V】 | Comments(0)