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ほぼ日

ヘクス列の向きの話

徳岡さんが面白い話をされていました。


リンク先でも述べられている通り、ヘクス列の向きはゲーム・バランスに影響を与えます。「ヘクスマップには二種類ある。縦方向に直進性があるものと、横方向に直進性があるものだ」「このどちらを採用するかによって、ゲームが変わってしまう」のです。

例えばバルジの戦いは、ドイツ軍から見れば戦線は東から西へ向かうわけですから、ヘクス列は水平方向に走っているべきですよね。実際多くのゲームがそうなっています。エポック社の『バルジ大作戦』しかり、『ウインター・サンダー』(在庫あります!!)しかり。東西方向への攻撃はやりやすいものになります。

しかし、南北方向のヘクス列を取っているゲームも少なくありません。例えばアバロン・ヒルの『バルジ '81』とか、日本版も出ました『Wave of Terror』もそうです。ヘクス列の関係から、こちらのゲーム群はドイツ軍がやや攻撃しにくく、連合軍は南北からの増援を中央に集結しやすいという特徴があります。反撃も強力。どちらのゲームも連合軍強い強い。

バルジの戦いを「ドイツ軍最後の攻勢」と捉えればヘクス列は東西方向となり、「連合軍の反撃」とすればヘクス列は南北方向にすべきです。かようにマップ・デザインには、ゲーム的な機能以上につくった人の歴史観が影響しているのかもしれません。

長いウォーゲームの歴史の中には、デベロッパーがデザイナーの歴史観を無視してヘクス列を90度回転させ、凡作を傑作に仕立てたというエピソードがひとつやふたつはあるでしょうね。



2017年9月20日:



by yas_nakg | 2017-09-20 11:24 | ほぼ日

歴史系ストラテジー・ゲームの話が中心です。


by yas_nakg
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