「ほっ」と。キャンペーン

『Counterfact』誌第5号付録『Islamic State: The Coming Libya War(ISLW)』を早速プレイしてみました。主記事を斜め読みしてルールも斜め読みして駒切っていざ。ルールは実質5頁だし、主記事も文字サイズ大きめで老眼にやさしい仕様です。『このシミュ』も見習え。

ISLWの設定としては、(1)リビアとチュニジアの内戦が本格化、(2)シリアとイラクから本気のISIS幹部がやってきて、(3)難民が南ヨーロッパに大挙して押し寄せてきて、どうもこうなならないので2010年代のうちに有志連合がリビアの内戦に介入するのではないか? という筋書きです。主記事は現状分析が中心で、リビアで武装組織の跳梁を許しているとデルナからギリシアの島々が襲われるのではないか(クレタ島まで200マイル、ゾディアックボートなら5時間以下の距離)、その模様がインターネットに公開されると世界中のイスラム過激派を勢いづかせるし、難民に紛れてジハーディストがヨーロッパに侵入、テロを起こすかもしれない。それはけしからんということで、やはり欧米諸国がリビア内戦に介入する可能性があると述べられています。

ISLWはソリテアで、プレイヤーはアメリカ軍とNATO軍、それにリビア国民軍(LNA)、エジプト軍からなる有志連合を率いてISISの勝利を阻むことが目的です。ゲームは全8ターン、1ターンは5回以上の交互アクションで構成されます。有志連合は地上部隊の移動、上陸作戦、空挺作戦、特殊作戦、空爆(ドローンによるピンポイント攻撃を含む)などを行い、ISIS側はチットによってランダムに行動を取ります。8ターンが終わった時点で15点を獲得していればISISが勝利します。得点は生き残っているISISのリーダーの数、占領している資源エリアの数(10カ所あります)、ISISに拉致された民間人や脱出したパイロット、有志連合の損害、コラテラル・ダメージで決まります。ゲーム開始時にISISは9点を獲得しているだけですが、放っておくといろんな悪さをするのでプレイヤーは手遅れになるうちに何か手を打たなければなりません。例えば……

b0142122_00073625.jpg
▲我々ゲーマーにはお馴染みのトブルクにはLNAの勇姿が!
b0142122_00071927.jpg
▲紙コップの1つはISISユニットを収納。もう1つは行動チットを収納

ゲーム開始時、有志連合はチュニジアにアメリカ軍とNATO軍を2個師団相当、東にエジプト軍を有しています。トブルクの国民軍も味方です。彼らに比べるとアメリカ軍、NATO軍のほうが強力なので、とりあえずチュニジアからトリポリ(資源あり)、ミスラタ(同じく資源あり)に攻め込んでリビアに自由と平和をもたらせようじゃありませんか。この2つのエリアを有志連合が支配すれば、ISISの得点は7に低下します。しばらく安泰なはず。

アメリカ・NATOの統合機甲軍団は国境の町サブラタに進出。武装組織の抵抗に遭いますが鎧袖一触。幸い、民間人を巻き込むような戦闘には至りませんでした。さらに投降した民兵から得た情報により、マラーダにISISの幹部が潜伏していることがわかりました。通常戦闘の結果、リーダーの居場所が判明したり、ISISが捕虜にしている民間人の居場所がわかったりします。どちらも放っておくとペナルティになるので、知らないほうが良かったよ! ということもあります。オルタナティブ・ファクトですよ。

b0142122_00070221.jpg
▲突如マラーダに姿を現したリーダー。知ってしまったからには捕まえるか抹殺しないとISISに点が入ってしまうのです。

プレイヤーが行動したら、前述した通りチットを引いてISISの行動を決めます。チット・ナンバーは「7」。チャドからの武器密輸のおかげで次の戦闘でISISが攻撃することがあればダイスの目修整がつきます。チットの中には、「Bombs over the Vatican」、ISISのカミカゼ・パイロットがローマへ飛び、バチカンで自爆するというひどいものもあります。成功率は3分の1ですが、成功するとISISに得点が入ります。誰だ、これ考えた奴。

続いてプレイヤー・ターン。統合機甲軍団はトリポリへの突入を試みます。トリポリは重要拠点なのでISISユニットは最大の5個登場します。

b0142122_00072843.jpg
▲数字は火力。ISIS側のアルファベットはAT=対戦車兵器、AA=対空兵器装備などを表しますが、有志連合の先制攻撃を受けて生き残らない限り反撃はできません。最強の兵器はCIV=民間人で、コラテラル・ダメージのもとになります。

トリポリ攻防戦はあっさり片がついてISIS側は壊滅。しかしコラテラル・ダメージ判定で……

b0142122_00071323.jpg
▲ちょっとこのルールが怪しくて、ConsimWorldのフォーラムでもデザイナーを交えての質疑応答が展開されています。

「戦闘の巻き添えになって死亡した女性と子供の映像がインターネットで拡散」してしまい、ISISは2点を獲得してしまいました。トリポリの資源1点を奪ったのにコラテラル・ダメージで2点を与えたんじゃ意味ないじゃん!! しかもこの戦闘中、NPO団体が拉致されているという知りたくなかった真実を知ってしまいました。それも2カ所も。トリポリを解放してリビアに平和を届けたかっただけなのに、リーダー、誘拐×2、コラテラル・ダメージで5点を献上、資源1点を奪ったので計13点と、リビア沼に足を突っ込んだ瞬間に地獄の釜の蓋が開いてしまったのです。ああ、なんてことでしょう……。

と、ISLWはこんなゲームです。ソリテアではありますが、いやソリテアだからこそ、プレイヤーにISISとの戦いがいかに困難なものか、有志連合のひとつの行動がどのように悪夢の連鎖につながっていくのかをじっくり学ぶことができます。

年内にはISLWのシステムを改良したシリア内戦が出版される予定です。リビアとシリア、両足を沼に突っ込んでこそ見える真実というものがあるかもしれません。よし、買うか。

[PR]
# by yas_nakg | 2017-02-08 01:05 | 海外ゲーム【I】 | Comments(3)

定点観測

帰宅すると『Counter Fact』が2冊届いていました。デザイン: タイ・ボンバ&デザイン: ハビエル・ロメロ、デベロップ: タイ・ボンバ。お腹一杯です。後者はリビアでISISと戦う仮想戦&ソリテア。アメリカ、NATO、エジプトが、トリポリとトブルクを拠点に勢力を拡大中のISISを抑え込むという内容です。ゲームとは関係ないですが、誌面の図版はラリー・ホフマンさん作、私のDTPの師匠(だと勝手に思い込んでいる方)です。誌面からおかんの匂いが漂ってきました(インプリンティング)。



2017年2月7日のヘッドライン

[PR]
# by yas_nakg | 2017-02-07 08:27 | ほぼ日 | Comments(0)

そりゃ6分(ブリッツ)とか30分(装甲擲弾兵)/ターンの地上戦と秒単位で勝負する航空戦をくっつけると面倒なことになりますわな。

b0142122_08294061.jpg
ユニット右下の数値、これ移動力ではなくて行動値でして、「1」なら毎ターン行動できる、「2」は2の倍数ターン、「3」なら3の倍数ターン……という具合で、数字が大きいほど動きが鈍くなる。同じ戦車でも帝国軍は2ターンに1回移動/射撃できるのに、公国軍のFT-17改は弱い上に3ターンに1回しか移動/射撃できない……と書くとそれっぽく思えますが、やると結構面倒。でもこれでユニット印刷に出したからどうするよ、という問題に直面しています。

脳裏をよぎったのは、ツクダホビーのアニメゲーム、放映中にゲームを出版するために駒にレーティングを印刷しなくなったなあということ。後加工があるので印刷に時間がかかる駒は設定画から紙焼き(死語)して駒シートの版下(死語)をつくり、とりあえず名前と通し番号だけ入れて印刷しておく。テストプレイによって変動する可能性があるレーティングは印刷にそれほど時間がかからないデータシートに移すというスマートなやり方をとったんでしょうね。わかっててなぜ真似しない。

空を飛ぶ方々が登場するまではタイム・スケールを変更する、コマンド・コントロールのルールを入れることでプレイの負荷を下げることで対処しますが、ますます普通の戦術級ゲームっぽくなってきております。スタックしている帝国軍を間接砲撃でどかん、というシチュエイションも無理なく再現。何だか当初のコンセプト──フルプロットでやりたい人だけやればええねん──から外れてきましたが、ミリタリー考証に力を入れていた原作へのリスペクト、ということでひとつよろしくお願いします。



2017年2月6日のヘッドライン

[PR]
# by yas_nakg | 2017-02-06 09:00 | ほぼ日 | Comments(0)

Kickstarter案件の『Naval Battle in Archipelago』はそんなに惹かれるものがなかったのですが、同社の『Panzer Strike: France 1940』にはちょっと惹かれるものがあります。セルビアのメーカーですって。だからセルビア上空の空中戦をテーマにしたご当地ゲームもあります。わかったわかった、全部買って遊んでみますわ。

b0142122_09083880.jpg

こんなん、買うしかないやないですか。面白かったらa-gameはんを煽って輸入させたいと思いますが、いやや言うたらうちの一角を倉庫にしてでも。

パンストには大きいのと柔らかいのがありますが、価格的にもサイズ的にも柔らかいのを買いたいと思います。



2017年2月5日のヘッドライン

[PR]
# by yas_nakg | 2017-02-05 09:34 | ほぼ日 | Comments(0)

ゲームの邦題がホット・イシューだった気がしますが、タイ・ボンバ氏のゲームはだいたい鮫映画みたいなものなので、どんな邦題つけても大丈夫だよね、みたいな。セガールの映画ならとりあえず「沈黙」つけとけ、みたいなルールがあるので、「地獄の」とか「殺戮の」とか。『ジューコフズ・ウォー』なら『地獄の東部戦線1942-43』、『ザ・バルジ』なら『地獄のバルジ』。『ミシシッピ・バンザイ』は『殺戮のミシシッピ』。駄目ですかね、駄目ですね。

関係ないですが、戦闘結果「EX(Exchange)」を「BB(Bloodbath)」に言い換えるようになったのはタイ・ボンバ氏からですかね。氏のゲームかデシジョン・ゲームズの作品以外では流行っていないようですが。

それはさておき、ろうがんず、もとい老眼ウォーゲーマーに関する話題です。自分だけば大丈夫、と思っていたら、全然駄目でした。

b0142122_10160254.jpg
目下、コマンドマガジンがこのへんのゲームの再版を計画中とのことで、自宅の押入から発掘してきました。ドイツ軍ユニットを途中まで切ったところで挫折しとった。30年以上前にはプレイしていたので、このゲームはたぶん2代目。それはいいのですが、
b0142122_10160824.jpg
いやこれ真面目に読めないですよね? 拡大しているからいいようなものの、肉眼で読むのは結構辛い。当時、日本版を制作したスタッフは「老眼のおっさんなんかプレイしないから、文字はいくら小さくたっていいんだよ」と思ったのか思わなかったのか、すまなかったな老眼のおっさんになって!! しかしオリジナルは5/8"サイズのカウンターなので、再度の日本版は原点回帰になるかと思います。

あと、レーティングの見直しがあったりデンマーク海軍も登場するらしいので、全国のデンマーク海軍ファンは刮目して待て!!


[PR]
# by yas_nakg | 2017-02-04 10:32 | ほぼ日 | Comments(8)