昨年末、4Gamerさんのインタビューにて

あと中国では,ゲームの制作にあたって中国版Kickstarterを使うのが一般的になっています。事実上の受注生産システム,ないしプレオーダーとしてクラウドファンディングが機能するパターンですね。
 制作資金を集めてから作るという形で進めているので,ビジネスとしてのリスクは非常に小さいんですよ。もちろんまだまだ市場が小さいのでリターンも小さいですが,ローリスクローリターンというバランスにはなっています。

 と述べておりますが、ちょっと違うよ、とご指摘を受けました。以下、その要約であります。



 中国のクラウドファンディングは革新的な商品を発表する場であるキックスターターとは異なります。以前は同じ性格のクラウドファンディングがありましたが、現在はほぼ壊滅、生き残った一つがmodian.comです。

 あなた(中黒)はクラウドファンディングを利用するメリットとして出版社のリスクを減らすことであると述べていますが(弁解しますと、中国の別のパブリッシャーからそのような意見を聞いていての発言だったのです)、中国のクラウドファンディングにおける競争はそんなに甘いものではありません。優位性を持つ商品しか支援を受けられません。製品としての違いのないものでなければ消費者の支持を得られないのです。

 リスクを抑える目的でクラウドファンディングを利用する出版社は意識が低く、未完成の製品を販売しようとする傾向があり、消費者はそのことをよくわかっています。よってクラウドファンディングが彼ら「ニューカマー」の助けになることはありません。

 中国のビジネス・モデルは「より狭く、より深く」になっています。その意味でデジタル/アナログのゲームやコミックに特化したMODIANには鍛えられたユーザーが存在し、メーカーと良好な関係を築いています。メーカーにとってもMODIANは非常に良い広告チャネルになっているのです。



 これに関連するのが、



N村さんのこの疑問であります。私のクラウドファンディングに関する誤解に連なるのですが、中国のウォーゲーム・パブリッシャーが公式サイトを持っていない理由は、

  1. 誰も見ない
  2. 維持に時間とコストがかかる

ためだそうです。中国のインターネットのトレンドは破壊的創造を繰り返しており、B2Bビジネスにおいては公式サイトは意味を持ちますが、B2Cでは必要でなくなっています。掲示板もブログもなくなったように、カスタマー向けのメーカー・サイトもなくなっているそうです。ボードゲーム・パブリッシャーであれぱ、前述のMODIANタオバオQQのグループで宣伝するのが最も効果的であり、公式サイトは無用の長物なのです。

 ただ、中国以外の市場ではまず公式サイトを確認するという習慣があるので、中国のパブリッシャーの目が外に向く時は、時間とコストをかけてでも公式サイトを設置するかもしれません。あるいは既に行われているように、Facebookの活用がますます盛んになるのかも。



2018年1月5日の話題:



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by yas_nakg | 2018-01-05 08:36 | ほぼ日 | Comments(0)