セルビアのゲーム・メーカー、フォルセージェ・ゲームズの製品をいくつか購入してみたので紹介していきたいと思います。まず『パンツァー・ストライク(以下、パンスト)』。パンストには「フランス1944: ポケット」と「フランス1940」、その簡易コンポーネント版の「フランス1940: ソフト」の3種類があります。今回入手したのは「ポケット」と「ソフト」です。

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▲「ソフト」の箱サイズはだいたいA4判。箱厚は30mm程度でしょうか。


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▲中身はマップとルール、駒とダイスが入った袋。ルールは英語なので安心ですよ。

1940年、フランスのとある町で独仏両軍の戦車隊が衝突する……という設定です。この時期の両軍主力戦車に性能差はそんなにないため、イコール・コンディションで戦うことになります。非常にシンプル。それでは物足りない方には選択ルールとして、フランス軍戦車(オチキスH35を想定)は装甲は厚いけれど速度が遅い、というキャラクターづけが行えるようになっています。砲撃力は同じなので、ドイツ軍(III号戦車を想定)は機動力で敵を翻弄する必要に迫られるでしょう。

プレイヤーは自分の番がきたらダイスを2個振ります。ダイスの目は3-6の特殊なもので移動力を表します。自軍の戦車2両を選び、出た目を移動力として移動させることができます。ぞろ目ならもう1両の移動が可能。同じく選択ルールで、稼働戦車数に応じて振れるダイスの数を変化させます。優秀な戦車隊指揮官がいればさらにダイス1個を振れる、など、いくらでもルールを増やせそうです。

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▲戦車はやせ気味。それよりダイスのパーティング・ラインが気になります。

マップはスクエア式でユニットは45度単位で向きを決めます。移動すると正面射界にしか撃てませんが、停止していると全周を射撃可能になります。目標までの距離を測り、ダイスを2個振り、出た目が「装甲+距離」以上なら目標撃破となります。実にシンプル。

なお、装甲厚は正面で「5」なので、かなり接近しなければ正面装甲を貫徹できません。側面は「3」、後面は「1」と極端に薄くなるので、いかに敵の側面に回り込むか? が勝利するために大事なことがわかります。だからこその市街戦という状況設定なのでしょう。

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▲付属の駒が気に入らないならお好きなミニチュアで。

「ポケット」もほぼ同じ内容ですが、コンポーネントで言えばマップが細切れにされており、プレイするのはやや面倒そうです。ただし両面に印刷されているので、戦場のバリエーションを楽しむことができます。

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▲ラゾヴィッチ兄弟がデザインされたんでしょうね。

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▲黒髪が重戦車で白髪が軽戦車。ラゾヴィッチ兄弟が丹精込めて塗ってくれたんでしょうか。

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▲「1940」と異なり、戦車のレーティングが細かく設定されています。

「ポケット」も「1940」同様、フランスのどこかの町で連合軍とドイツ軍の戦車隊が衝突する、という設定です。ただし1944年なのでけだもののような戦車が登場します。ティーガーIIの正面装甲(20)をぶち抜くことなどそうそうできないので、「1940」以上に迂回機動が重視されそうです。

戦車1両単位の戦車戦ゲームですが、戦闘解決方法をシンプルにする代わりに、プレイヤーには部隊運用で頭を使ってもらおうというデザイン・コンセプトが感じられます。だからこそ、建物という障害物を利用しながら様々な機動を行える町が戦場に選ばれたのでしょう。物足りないという方もいるでしょうが、戦車隊の運用でいっちょ腕試しをしてみたいという方なら楽しめるのではないでしょうか。

前述の通り、簡単に様々なルールを追加できるので、自分オリジナルの高校を率いて「ガルパンスト」トーナメントをやってみるとか……。

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by yas_nakg | 2017-02-27 22:23 | 海外ゲーム【P】 | Comments(1)

中国ウォーゲーム事情

以前、紹介した中越戦争シリーズを3月に発売予定の黑喵制造总局のお二人にお会いして、いろいろな話をうかがってきました。

中越戦争シリーズはヒストリカル・リサーチが丹念になされているとのことで、中共軍のドクトリンを再現するためにユニットを中隊規模にしたのだそうです。ゲーム・システムとしてはデシジョン・ゲームズのGOSSに雰囲気が似たものになるでしょうか。またゲームにはルールやシナリオの他、詳細なヒストリカル・ノートや部隊ごとの作戦履歴、写真集なども含まれるとのこと。残念ながらそこまで日本語/英語の翻訳は手が回らないそうですが、日本語ルールブックは5月には間に合うとのことで、「是非ゲームマーケットで売りましょう!!」とプッシュしいたしました。

中越戦争シリーズとは別に、中越国境紛争全体を再現するエリア式のゲームも同時発売予定とのこと。こちらはカードも使用する、いわゆる「ストーム(強襲)」システムを採用しています。入手&プレイ次第、紹介したいと思います。

中国のお土産として戦旗工作室の新作『キエフ1941』をいただきました。

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▲カウンター・シート、マップ、ルールブックがシュリンクされています。


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▲カウンターは14mmサイズで角丸、両面印刷。扱いやすいサイズです。両軍とも軍団規模で、機械化ユニットは戦車のイラスト入り。


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面白いのはカウンター・シートのタイトル部分が取り外せるタイルになっていること。QRコードでサイトに簡単にアクセスできるだけでなく、ゲージなどのパーツとしても使えそうです。良いアイディア。

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マップはバルバロッサ作戦における南方軍集団の戦区が上品に描かれています。最東端の都市はドニエプロペトロフスク。地形効果表、戦闘結果表、増援の登場場所などプレイに必要な情報は全てマップ内に収録されています。

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▲マップはボード貼りで折りたたみ式。

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▲地名は漢字/英語表記。

あいにく中国語は読めませんが、ゲームのルールはエスペランサ語みたいなものなので、気合いで乗り切ってみたいと思います。なお、ルールブックはフルカラー、文字サイズも大きく読みやすいものとなっています。何よりルールブック巻末に、ゲームのマップとユニットを用いた戦況図を丁寧に用意されているのが素晴らしい。何よりやってみようという気になりますし、ゲーム展開と史実を比較してうまくいっている/いっていないの自己判断ができるのがいいですね。

2月27日12時45分追記: 書き忘れていました。中国では『尖閣ショウダウン』『When Dragons Fight』的なゲームの出版がNGなのだそうです。そのあたりは日本のほうが緩いと言うか何と言うか。海外で発表するのはOKとのことで、年内S&T誌向けに尖閣テーマのゲームをデザインしたと、中越戦争シリーズのデザイナー、項さんが教えてくれました。



2017年2月27日の話題

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by yas_nakg | 2017-02-27 09:51 | ほぼ日 | Comments(0)