昨晩、勢いで『Islamic State: The Coming Libya War』(Counterfact)の記事を投稿したら、今朝ロメロの兄貴から「楽しんでいただけたかな?」というメールが届いていました。あと、このブログは宣伝がてらFacebookに通知されることになっているんですが、例のゲームの写真を見たグリーンのおやっさんに「何のゲームだ?」コメントいただいたりして、もう。

ISLWについて書き漏れていましたが、相手がインサージェントだからSOFだけで対処できるかと言えばそうではなく、コンベンショナルな戦力でもあるので(ゲームの設定としてはシリアやイラクからISIS幹部が乗り込んできて、相応に強力な軍事部隊を組織しているのです)、「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」なしではISISとの戦いに勝利できないのがポイントです。そして通常兵力の大規模侵攻を行えば、先のプレイの例で示した通り、いろいろ面倒が発生します。

あと、これも書き漏れですが、ああもう、すっかりチョイ漏れオヤジで申し訳ありません(意味深)。ISISの戦闘部隊はランダムに選ばれるのですが、その中に1個だけ「メディア」マーカーが存在し、これが引かれると容赦なくコラテラル・ダメージが全世界に大々的に報じられることになります。ある意味、最強の戦士であり、プレイする上でいろいろと考えさせられます。

次はお待ちかね『1936: What If?』に挑戦しようかと思います。1938(チェコスロヴァキアが併合に抵抗)、1939(ポーランド戦開戦と同時に英仏が西部戦線で攻勢開始)、1940(1940年にソ連侵攻)ときて1936だから、「ラインラント進駐に対してフランスが激おこして戦うWhat Ifなんでしょ?」と思っていたら、予想外の状況設定でした。喩えるなら、下半身がタコの鮫映画を観てしまったような衝撃。そう来たか。



2017年2月8日のヘッドライン

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by yas_nakg | 2017-02-08 08:12 | ほぼ日 | Comments(2)

『Counterfact』誌第5号付録『Islamic State: The Coming Libya War(ISLW)』を早速プレイしてみました。主記事を斜め読みしてルールも斜め読みして駒切っていざ。ルールは実質5頁だし、主記事も文字サイズ大きめで老眼にやさしい仕様です。『このシミュ』も見習え。

ISLWの設定としては、(1)リビアとチュニジアの内戦が本格化、(2)シリアとイラクから本気のISIS幹部がやってきて、(3)難民が南ヨーロッパに大挙して押し寄せてきて、どうもこうなならないので2010年代のうちに有志連合がリビアの内戦に介入するのではないか? という筋書きです。主記事は現状分析が中心で、リビアで武装組織の跳梁を許しているとデルナからギリシアの島々が襲われるのではないか(クレタ島まで200マイル、ゾディアックボートなら5時間以下の距離)、その模様がインターネットに公開されると世界中のイスラム過激派を勢いづかせるし、難民に紛れてジハーディストがヨーロッパに侵入、テロを起こすかもしれない。それはけしからんということで、やはり欧米諸国がリビア内戦に介入する可能性があると述べられています。

ISLWはソリテアで、プレイヤーはアメリカ軍とNATO軍、それにリビア国民軍(LNA)、エジプト軍からなる有志連合を率いてISISの勝利を阻むことが目的です。ゲームは全8ターン、1ターンは5回以上の交互アクションで構成されます。有志連合は地上部隊の移動、上陸作戦、空挺作戦、特殊作戦、空爆(ドローンによるピンポイント攻撃を含む)などを行い、ISIS側はチットによってランダムに行動を取ります。8ターンが終わった時点で15点を獲得していればISISが勝利します。得点は生き残っているISISのリーダーの数、占領している資源エリアの数(10カ所あります)、ISISに拉致された民間人や脱出したパイロット、有志連合の損害、コラテラル・ダメージで決まります。ゲーム開始時にISISは9点を獲得しているだけですが、放っておくといろんな悪さをするのでプレイヤーは手遅れになるうちに何か手を打たなければなりません。例えば……

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▲我々ゲーマーにはお馴染みのトブルクにはLNAの勇姿が!
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▲紙コップの1つはISISユニットを収納。もう1つは行動チットを収納

ゲーム開始時、有志連合はチュニジアにアメリカ軍とNATO軍を2個師団相当、東にエジプト軍を有しています。トブルクの国民軍も味方です。彼らに比べるとアメリカ軍、NATO軍のほうが強力なので、とりあえずチュニジアからトリポリ(資源あり)、ミスラタ(同じく資源あり)に攻め込んでリビアに自由と平和をもたらせようじゃありませんか。この2つのエリアを有志連合が支配すれば、ISISの得点は7に低下します。しばらく安泰なはず。

アメリカ・NATOの統合機甲軍団は国境の町サブラタに進出。武装組織の抵抗に遭いますが鎧袖一触。幸い、民間人を巻き込むような戦闘には至りませんでした。さらに投降した民兵から得た情報により、マラーダにISISの幹部が潜伏していることがわかりました。通常戦闘の結果、リーダーの居場所が判明したり、ISISが捕虜にしている民間人の居場所がわかったりします。どちらも放っておくとペナルティになるので、知らないほうが良かったよ! ということもあります。オルタナティブ・ファクトですよ。

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▲突如マラーダに姿を現したリーダー。知ってしまったからには捕まえるか抹殺しないとISISに点が入ってしまうのです。

プレイヤーが行動したら、前述した通りチットを引いてISISの行動を決めます。チット・ナンバーは「7」。チャドからの武器密輸のおかげで次の戦闘でISISが攻撃することがあればダイスの目修整がつきます。チットの中には、「Bombs over the Vatican」、ISISのカミカゼ・パイロットがローマへ飛び、バチカンで自爆するというひどいものもあります。成功率は3分の1ですが、成功するとISISに得点が入ります。誰だ、これ考えた奴。

続いてプレイヤー・ターン。統合機甲軍団はトリポリへの突入を試みます。トリポリは重要拠点なのでISISユニットは最大の5個登場します。

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▲数字は火力。ISIS側のアルファベットはAT=対戦車兵器、AA=対空兵器装備などを表しますが、有志連合の先制攻撃を受けて生き残らない限り反撃はできません。最強の兵器はCIV=民間人で、コラテラル・ダメージのもとになります。

トリポリ攻防戦はあっさり片がついてISIS側は壊滅。しかしコラテラル・ダメージ判定で……

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▲ちょっとこのルールが怪しくて、ConsimWorldのフォーラムでもデザイナーを交えての質疑応答が展開されています。

「戦闘の巻き添えになって死亡した女性と子供の映像がインターネットで拡散」してしまい、ISISは2点を獲得してしまいました。トリポリの資源1点を奪ったのにコラテラル・ダメージで2点を与えたんじゃ意味ないじゃん!! しかもこの戦闘中、NPO団体が拉致されているという知りたくなかった真実を知ってしまいました。それも2カ所も。トリポリを解放してリビアに平和を届けたかっただけなのに、リーダー、誘拐×2、コラテラル・ダメージで5点を献上、資源1点を奪ったので計13点と、リビア沼に足を突っ込んだ瞬間に地獄の釜の蓋が開いてしまったのです。ああ、なんてことでしょう……。

と、ISLWはこんなゲームです。ソリテアではありますが、いやソリテアだからこそ、プレイヤーにISISとの戦いがいかに困難なものか、有志連合のひとつの行動がどのように悪夢の連鎖につながっていくのかをじっくり学ぶことができます。

年内にはISLWのシステムを改良したシリア内戦が出版される予定です。リビアとシリア、両足を沼に突っ込んでこそ見える真実というものがあるかもしれません。よし、買うか。

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by yas_nakg | 2017-02-08 01:05 | 海外ゲーム【I】 | Comments(3)