海運級太平洋戦争

先日東京で、IIbさんがデザインされた『海運級太平洋戦争』のテストプレイに参加させていただきました。名は体を表すで、海運、即ち海上ロジスティクスに焦点を当てた今までなかった切り口の太平洋戦争ゲームです。
ゲームは1942年から始まり、ゲームが終了するまでに日本軍の物資が底をつくと連合軍の勝利、それを防げば日本軍の勝利となります。毎ターン、主力艦の撃沈や拠点の占領といった両軍の戦果を確認し、日本軍が戦果をあげれば最終ターンが早まり、連合軍が戦果をあげれば最終ターンが延びるという仕組みです。
ロジスティクスは商船マーカーで表されていまして、ゲーム開始時は全体で600万トンを保有しています。民生用に300万トンが必要とされていたので、商船マーカーの半数を徴用しなければ備蓄物資が減ることはありませんが(ただし主力艦が戦闘を行うとマイナスされます)、艦隊出撃や地上部隊の支援のために商船を徴用するとマイナスになります。
ベテランのウォーゲーマーなら想像がつくでしょう。民間には泣いてもらって商船を史実以上に大量徴用、短期決戦で勝利を目指すのか、それとも長期不敗体制を構築、南洋からの資源を本国にため込むのかという、what ifを楽しむことができます。ただし後者には足かせがあり、戦意不十分と見なされると日本軍にペナルティが発生します。
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第一戦、日本軍を受け持ちました。やるなら短期決戦でしょうと、史実通りミッドウェイ攻略を目指しますが、史実通りに正規空母4隻を失いました。ならばと今度は南方に目を向けますが、兵站線が伸びすぎてこれも駄目。物資も底をついて早々と日本は降伏してしまいました。
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日本軍の定石はどんなものか教えてくださいと、今度はIIbさんに日本軍を担当してもらいます。さすがに効率よくプレイされ、物資を無駄にすることなく早々とセイロンを攻略します。え、セイロン!? そうなんです。これは『太平洋戦史』でも問題になりましたが、連合軍にとってセイロンの奪回は容易ではないのです。また太平洋戦争のキャンペーン・ゲームをつくることになったら絶対に省略するな、セイロン。本作では日本軍がセイロンを占領すると毎ターン1点を得る、即ち1拠点を新規に攻略するのと同じ価値があるのでなかなか有効な作戦となります。
米軍はがっつり反撃し、第一次マリアナ沖海戦で勝利するも地上戦で敗退。これは負けるかと思いましたが、最終ターン(1944年前半だったでしょうか)に辛うじて日本軍の物資が尽きて連合軍の勝利となりました。それまでの通商破壊戦でダイスの目がふるったのが効きました。
兵站線を再現するためマップ上に商船マーカーを敷き詰めるのは煩雑ではありますが、視覚的にわかりやすいのが美点です。兵站線が長くなればなるほど潜水艦、陸上機の攻撃を受けやすいのもリアルです。その意味で『アフリカン・ギャンビット』に似ていると思われますが、AGは戦闘解決がダイス一振りであっさり済まされるのに対し、こちらは索敵、対空戦、航空戦、水上戦闘と、色気ある戦闘解決システムになっています。
自分のゲームについて「やってもやらんでもいいところは省略すべき」と書きましたが、その意味で少し整理したほうがいいルールがあるように思います。が、自分には絶対できないアプローチですので、美点を大事にする方向で商品化できればと思っております。

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by yas_nakg | 2016-12-19 17:32 | Comments(0)